2021年04月08日更新

監修記事

不動産売却の際必要な住所変更登記について

不動産売却の際に行う住所変更登記とはどのようなものか

不動産 売却 住所 変更 登記

土地や建物の所在・面積、所有者の住所・氏名などの権利関係は、不動産登記簿に公式な記録として記載されています。

この不動産登記簿に記載されている所有者の住所は、転居や市町村合併などの理由によって、売主の住民票や印鑑証明書に記載されている現住所と異なっていることがあります。

これは、転居した際に転出入手続きを行うと、自動的に変更される住民票や印鑑証明書などとは異なり、不動産登記簿に記載されている住所は、別に届け出ない限り、転出入手続きに伴って自動的に変更されることがないためです。

「住所変更登記」とは、このように住民票や印鑑証明書の現住所とは異なっている登記簿上の住所を、一致させる手続きのことを指します。

この手続きは、対象となる不動産を管轄している法務局や地方法務局で行います。

住所変更登記を行うかどうかは、所有者が任意に決めることができます。

また、いつまでに住所変更登記の手続き申請を行わなければならないという期間の制限もありません。

仮に、申請をしないままにしておいたとしても、登記法上の罰則規定もなく、住所変更登記手続きは、売買などで必要性が生じた際に行えば、それで問題はありません。

不動産売却の際になぜ住所変更登記が必要なのか

不動産登記は、大切な財産である土地や建物の所在及び面積、所有者の住所及び氏名などの権利関係を公の記録として保管する制度であり、この情報が一般に公開されるという性格を持っています。

この不動産登記の制度があることで、所有者がだれかを正しく特定することができ、不動産売買の際の安全と円滑化が担保されています。

このため、不動産売却に際しては、まず、売主が確かに所有者と同一人物であるという権利関係を証明することが重要となります。

売買契約が成立すると、買主は所有権移転登記の申請をすることになります。

この際、これまでの所有者である売主が、登記名義人と同一であることを証明するために、売主の印鑑証明書を必ず添付しなければなりません。

売主が不動産登記上の所有者かどうかの確認は、印鑑証明書の氏名と住所で比較します。

しかしながら、登記後に転居してしまっている場合などは、現在の住所と登記簿上の住所が不一致の状態となります。

このように、売主の印鑑証明書に記載されている現住所と登記上の住所が異なる場合、売主が登記名義人であるとの証明ができないことから、正当な売主かどうか特定できません。

こうなってしまうと、買主が所有権移転登記をできないこととなるため、購入を希望する買主に対して、不動産を売却することができません。

このように、不動産売却に際しては、売主の不動産登記上の住所を現住所と一致させるという手続きが必要不可欠となっています。

無料の一括査定はこちら>>

不動産売却のどのタイミングで住所変更登記をすればいいのか

住所変更登記を行うかどうかは、所有者が任意に決めることができます。

また、いつまでに住所変更登記の手続き申請を行わなければならないという、期間の制限もありません。

仮に、申請をしないままにしておいたとしても、登記法上の罰則規定もなく、住所変更登記手続きは、売買などで必要性が生じた際に行えば、それで問題はないことは、すでに紹介したとおりです。

では、不動産を売却する際に、どのタイミングで住所変更登記をすればいいのでしょうか。

不動産登記の手続きは、不動産登記法に規定されています。

登記を申請する個人や司法書士、登記を受理する法務局や地方法務局の登記官も全て、これに従う義務を負っています。

この不動産登記法第25条では、申請情報の内容である所有者の「氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないとき」には、登記官は、登記の申請を却下しなければならないと規定されています。

このため、売買契約が成立し、買主が所有権移転登記の申請をする段階までの間に、これまでの所有者である売主は、登記名義人と同一であることを証明できるよう、不動産登記上の記録を一致させておく必要があります。

つまり、住所変更登記のタイミングは、売買契約が成立して、買主が所有権移転登記を申請する前までということになります。

ただし、買主の了承が得られる場合、所有権移転登記と同時に行うことも可能です。

仕事上の都合で転居が多いなどの場合でも、住民票を移動するたびに住所変更登記を行う必要はなく、今後の売却の手続きまでに行えば、問題ありません。

住所変更登記には何が必要でいくら費用がかかるのか

住所変更登記に必要なもの

住所変更登記には、登記申請書、登記事項証明書(登記簿)、住民票の写し、認印、戸籍の附票の写し、委任状、収入印紙が必要です。

登記申請書は、法務局または地方法務局で入手することもできますし、インターネット上でもダウンロードできます。

登記事項証明書は、登記申請書へ不動産についての情報を正確に記入するために必要です。

不動産を管轄する法務局や地方法務局に申請して入手します。インターネットを通じて申請し、郵送で受け取ることも可能です。

住民票の写しは、住所の変更を証明する「登記原因証明情報」として添付しますので、現住所のある市区町村役場で発行してもらいます。

戸籍の附票の写しは、登記記録上の住所から2回以上の住所を変更している場合で、現在の住民票の写しでは以前に登記記録上の住所に住んでいたことを証明できない場合、本籍地の市区町村役場で発行してもらい添付します。

本籍地の市区町村役場が遠方の場合、郵送で取り寄せることが可能ですので、該当する市町村役場に照会すると良いでしょう。

委任状は、登記申請を代理人に委任する場合に必要になります。

登録免許税として,土地または建物1個につき1,000円分の収入印紙を、事前に郵便局などで購入してA4台紙に貼付しておきます。

住所変更登記にかかる費用

自分で申請する場合、添付する書類の入手費用及び登録免許税として添付する収入印紙代だけで済みます。

また、司法書士に依頼する場合の相場は、実費と報酬を合わせて、概ね1万円~2万円となっています。

無料の一括査定はこちら>>

住所変更はどのように行われていくのか

不動産 売却 住所 変更 登記

1. 登記簿上の住所確認

登記事項証明書(登記簿謄本)には、権利部の「権利者その他の事項」欄に、所有者の住所と氏名が記載されています。

この住所が現住所と異なれば、住所変更登記が必要であると確認できます。

2.登記簿上の住所から現住所までの証明書を用意

住所変更登記では、登記簿上の住所から現住所に至るまでの変更履歴を、全て証明する必要があります。

「住民票の写し」は、住所の変更を証明する「登記原因証明情報」として添付しますので、現住所のある市区町村役場で発行してもらいます。

登記記録上の住所から2回以上の住所を変更している場合で、現在の住民票の写しでは以前に登記記録上の住所に住んでいたことを証明できない場合、本籍地の市区町村役場で「戸籍の附票の写し」を発行してもらいます。

3.登記申請書の作成

登記申請書は、法務局や地方法務局で入手できます。また、インターネット上でも法務省の「不動産登記の申請書様式」サイトから、様式や記入例をダウンロードすることができます。記入例を確認しながら作成します。

4.登記申請

不動産の所在地を管轄する法務局に出向き、不動産登記申請の窓口に申請書類を提出します。

申請書類に軽微な不備があっても訂正できるよう、登記申請書に押印した印鑑を持参します。申請は郵送で行うことも可能です。

5.登記完了証の受取

法務局の窓口に登記申請書を提出しても、その場で登記が完了するわけではなく、後日、改めて登記済証(登記完了証)を窓口で受けとり、手続きも完了します。

なお、郵送による登記完了証の受取りも可能となっています。

不動産売却に対応する優良な不動産会社を見つけるには?

ここまで説明してきた不動産売却は、あくまで一例となっています。

正確な売却金額を知るためには、売却前に「売却査定」を受ける必要があります。

そのとき大事なのが、複数社に査定依頼して必ず「比較検討」をするということ!

「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」

「複数社に何回も同じ説明をするのが面倒くさい...。」

そんな方は、簡単に無料で一括査定が可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。

無料の一括査定はこちら>>

一生のうちに不動産売却をする機会はそこまで多いものではありません。

後悔しない、失敗しない売却をするためにも、不動産会社選びは慎重に行いましょう!

この記事の監修者プロフィール

【監修者】株式会社worth style home 濵田昭平

株式会社worth style home

濵田昭平

2005年より東京急行電鉄株式会社財務戦略室主計部にて都市開発における多様な事業セグメントの業務を経験。2012年1月より都心部で高級マンション賃貸仲介業を展開する株式会社ModernStandardへ転職し、賃貸仲介営業職での最短トップ記録樹立。2014年1月より「株式会社worth style home」での総合不動産業をスタート。1,000万円~10億のマンション・土地等の売買仲介業務を行う。

無料不動産売却
一括査定をする