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2021年04月09日更新
いくらで売れる?不動産査定を左右する流通性比率
土地や建物を売却する時には、不動産会社に査定の依頼をして金額を算出してもらいます。この時、不動産会社は最終査定額を決める時に「流通性比率」をかけて金額を決めています。「流通性比率」の重要性や内容を説明していきます。
不動産査定!評価額を決める算出方法
不動産の査定は「土地の査定」「家屋の査定」の2つに分けて算出します。
まずは「土地の査定」についてです。
土地の評価額を求める際、基準となるものが4つあります。
1:実勢価格(取引価格)
市場で実際に売買されるか価格を指します。
2:地価公示価格(標準価格)
地価公示法という法律に則って国土交通省が「正常な価格」を毎年1月1日に判定し公示するものです。
公表された公示地価が適正な市場取引価格の指標になります。
3:路線価(相続税評価額)
路線に面した標準的な土地1㎡当たりの土地評価額です。
4:固定資産税評価額
固定資産税を計算する時に採用される評価額で、固定資産税納付通知書の「固定資産(土地・家屋)課税明細書」に記載されています。
「土地の評価額算出」をするには「路線価」と「倍率」の2つの方式があります。
路線価による算出法とは
評価額を算出したい土地が、道路に面している時に採用する方法です。
「路線価」は全国の道路の価格が算出されているので、この方式を元に土地の評価額を決めます。
計算方法は「道路の価格」×「土地面積」×「奥行価格補正率」で金額がはじき出されます。
この「路線価」は毎年7月1日に国税局や税務署が公表するので、無料で調べて計算をすることが出来ます。
「奥行価格補正率」は、土地の奥行の距離に応じて国税局が定めた補正率で、国税局のホームページで確認することが出来ます。
一例として、道路の「路線価」が50万円で土地の面積が150㎡とした時、
50万円×150㎡×1.00(奥行価格補正率)=7,500万円が土地の価格と判断できます。
倍率による評価額の算出について
「倍率」による算出方法は路線価が公表されていない場合に用いられる計算方法です。
計算方法は「固定資産税評価額」×「評価倍率法」で金額を算出します。
「固定資産税評価額」は市町村が資産額を定めたもので、売却対象の土地がある市町村で確認することが出来ます。
「評価倍率法」は国税局のホームページで本年度を含む過去3年分を確認することが出来ます。
家屋の不動産査定評価額の計算方法
2つ目は「家屋の査定」です。
計算方法は簡単で「固定資産税評価額」÷50~60%で目安金額を算出します。
不動産の査定評価額を知る場合は、土地だけ知りたい場合と土地と家屋を合わせたもの、家の評価額だけのものに分けて考えることが出来ます。
不動産査定で使われる流通性比率とは?
「流通性比率」とは、対象となる物件が「売りやすいか」、「売りにくいか」という度合いを示す比率を言います。
「1.00(又は100%)」を基準とし、-0.93~+1.7の範囲内で数値を設定します。
売りやすければ「+」、売りにくければ「-」の評価をします。
「流通性比率」は「土地」と「建物」を合算した戸建て住宅の販売価格が、市場での流通性に優劣が認められる場合、調整するために用いられます。
例えば、不動産の評価額を算出する時に売買専門の不動産会社に依頼すると、「流通性比率」を掛け合わせて算出した評価額を提示します。
この時に用いる「流通性比率」が「1.0」であればとても売りやすい好物件と言えるでしょう。
逆に数値「0.9」以下等の値の場合は、売れにくいと判断され、当初の予定販売価格を下げる要因になります。
この様に考えると、物件の売値には「流通性比率」がかなり影響すると言えるでしょう。
数値が良ければ、希望の売値で契約できるでしょうし、数値が低ければ、売値を下げて処分するなど、判断材料となる重要なものと考えられるべきです。
ところが、悪質と断定はできませんが、一部の不動産会社は「流通性比率」を本来の趣旨と違う使い方をしており、営業担当者が自己都合にあわせて「流通性比率」を変えてしまうというケースがあります。
不動産会社が提示した査定書の「流通性比率」の欄の数値が「100%」又は「1.0」ではない場合は、その数値の根拠について質問してみましょう。
回答が誠実で納得できる会社なら信頼できそうですが、曖昧な回答や誤魔化すようなそぶりが見えて不審に思う場合や、回答内容に満足できない場合は、不動産会社を変えて再度査定をしてもらう検討が必要でしょう。
流通性比率で決まる!?不動産査定評価額
ここまで見てきたとおり、流動性比率は、不動産の最終的な査定評価額に大きく関係します。
土地の査定評価額は、交通の便や近隣環境、状況、土地の形状などを基準に決まります。
建物の査定評価額は、部材ランク、維持管理状況やリフォームの有無などを考慮して残存価値を算出します。
そして最後に、「土地と建物の算出金額の合算に『流通性比率』を掛け合わせたもの」が、最終的な提示金額となるからです。
査定額の算出方法がわかると、希望する契約金額に近づけるか検討する手がかりをつかむことができます。
土地の坪単価を上げる事は難しいことかもしれませんが、建物の価値を上げる事はある程度は可能な事です。
土地の査定額は環境や交通の便、買い物の便利さによってある程度決められてしまいます。
新たなスーパーや大型のショッピングセンターが近くにできたなら多少はプラス査定に影響することもありますが、近くにそのような計画があるとは限りません。
建物の査定額は、外観に築年数を感じさせるような汚れや劣化があれば、マイナス要因として差し引かれます。
室内においても壁紙や床面の傷や汚れなどの経年劣化はマイナスポイントになりますが、壁紙を張り替えると、査定ポイントがプラスに動くこともあります。
これとは逆に売れない物件は、面積が広く査定総額が高くなる物件や対象地域の購入者にそぐわない販売金額の設定や受容が低く買い手の見込みが難しい物件などは、売買金額を下げなければならないこともあります。
また、建物の築年数が余りたっていない物件でも、ペットを飼っていたという理由で室内状態が悪い場合など、購入希望者が集まらないというケースもあります。
内覧を行う際は、如何に建物の内外部の傷みや汚れがないか印象付ける努力が必要になります。
不動産会社の査定は、マイナスポイントがあればもちろん査定額が低くなります。
また、似たような物件の売買がないか調べて、査定額算出の参考にします。
これを「取引事例比較法」と言います。
現在の価格で建物を建築するといくらかかるか割り出し、築年数に応じてどの程度価値が下がるか計算する「原価法」も用います。
この様に算出した査定額の最後に「流通性比率」を掛けますが、不動産会社は「流通性比率」の最小値「0.93」から最大値「1.07」を用います。
この様に不動産会社は査定評価額を算出し提示しますが、おおむね売り主の希望額を下回っているのが実情と言えます。
不動産売却に対応する優良な不動産会社を見つけるには?
ここまで説明してきた不動産売却は、あくまで一例となっています。
正確な売却金額を知るためには、売却前に「売却査定」を受ける必要があります。
そのとき大事なのが、複数社に査定依頼して必ず「比較検討」をするということ!
「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」
「複数社に何回も同じ説明をするのが面倒くさい...。」
そんな方は、簡単に無料で一括査定が可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。
一生のうちに不動産売却をする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しない売却をするためにも、不動産会社選びは慎重に行いましょう!
この記事の監修者プロフィール
株式会社worth style home
濵田昭平2005年より東京急行電鉄株式会社財務戦略室主計部にて都市開発における多様な事業セグメントの業務を経験。2012年1月より都心部で高級マンション賃貸仲介業を展開する株式会社ModernStandardへ転職し、賃貸仲介営業職での最短トップ記録樹立。2014年1月より「株式会社worth style home」での総合不動産業をスタート。1,000万円~10億のマンション・土地等の売買仲介業務を行う。
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