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2024年01月30日更新
不動産鑑定における「時点修正」とは?知っておきたい家の価値について
不動産鑑定の基本情報について
不動産鑑定とは
国家資格である不動産鑑定士が、不動産の価値を様々な観点から客観的に総合的に評価して価格という指標で鑑定することを不動産鑑定と言います。
鑑定にはその不動産に関する自然条件や、利便性、建物の条件など様々な要素を加味して総合的に客観的に判断して行うことになっています。
不動産は、常に一定の価格で流通しているものではなく、その時々の要因に応じて変動していくものであるという特徴があります。
そのため、これらの流動的な様々な条件を加味して鑑定し、その時点での経済的価値を評価することが不動産鑑定の役割といえます。
不動産鑑定の評価方式には3つの種類があり、それぞれ原価方式、比較方式、収益方式と言います。
原価方式とは評価する建物を仮に新たに建築し直した場合、現在の建物がどれくらい古くなっているかを判断して評価する方法です。
比較方式は似たような他の取引事例と比較して評価をする方法です。
収益方式はその不動産が今後、どのような収益をあげられるかを視点にして評価する方法です。
不動産の特性によって、3つの方法のうち、いずれかの方法を選択し鑑定されます。
不動産鑑定で評価されるポイントとは
不動産の価格は3つの要因から成立しています。
1つ目は一般的要因です。
一般的要因も自然的要因、社会的要因、経済的要因、行政的要因と言った4つの要因に分けられており、例えばその土地の地盤がどうであるか、周囲の公共施設の整備の状態がどうか、など様々な観点から評価されます。
2つ目は地域要因です。
対象の不動産が宅地に建築された住宅であれば、その土地の日当たりなどの気象条件や騒音や大気汚染などの条件が評の対象になります。
3つ目は個別的要因です。
例えば、建物の古さや耐震性などが評価の対象になります。
これらすべての要因を踏まえて、不動産鑑定がなされるのです。
時点修正とは?
不動産鑑定の方法の中に比較方式があるのをご紹介しましたが、この方式の場合は類似する不動産の取引事例と比較して対象となる不動産の鑑定が行われます。
しかし、不動産の価値というのは一定ではなく、その時々の様々な条件が関連しているため流動的です。
鑑定時から月日が経ち、地価が下落するなどした場合、過去の鑑定によって出された価格から修正が必要になるときがあります。
時点修正とは、そのようなときに行われる価格の修正を指します。
不動産鑑定の時点修正はなぜ起こるのか?
不動産の価値は日々変わる
前述のとおり、不動産の価格は一定ではなく様々な要因により成り立っているため、その価値も日々変わっています。
具体的には、その不動産を取り巻く周辺の環境が整備されたり交通網が整ってくれば価値が出てくるために地価が上がりますし、逆に何らかの要因により地価が下がることもあります。
また、その不動産を個別に見た場合にも、建築してからの年月が経てば経つほど設備の老朽化とともに価値が下がることは容易に想像できるでしょう。
不動産の価値は外的な要因と個別的な要因により、成り立っていることがおわかりいただけたことと思います。
時点修正が行われる鑑定方法は?
不動産鑑定における方法の中で、取引事例比較法や賃貸事例比較法では、類似した不動産の取引と比較して判断を行います。
例えば仮にバブル崩壊のように経済状況の変化で地価の大きな下落があった時には不動産の需要がなくなってしまい、供給が過多になります。
そうすると、バブル崩壊前に取引されていた価格は参考にならなくなり、それと同時にその価格を比較対象にしていた不動産鑑定額についても修正が必要になるのです。
つまり、地価の下落によって、過去に比較された取引事例が現在では通用しなくなってしまうことがあります。
その場合、不動産鑑定により算出された価格を現在の地価の状況に合うように不動産鑑定額の修正を行うのが時点修正と呼ばれる修正方法です。
このように、不動産鑑定の方法の中でも比較法を用いた鑑定の場合に時点修正が行われます。
時点修正でどれくらい価格が変わるのか?
では、時点修正を行うと不動産の価格はどれくらい変わるのでしょうか。
修正における計算式は鑑定時点と修正時点の間の価格の変動から変動率を求め、それを鑑定時点の価格に乗じるのが時点修正における一般的な方法です。
場合によっては時点修正によって鑑定時点の不動産価格から10%程度も値が下がることもあります。
鑑定後、なかなか物件が売却できずに長期にわたって買い手を探す必要が出てきた場合には注意が必要です。
なお、不動産鑑定はその不動産周辺に大きな変化がない場合、だいたい1年くらいを目途に時点修正する必要があると言われています。
不動産売却目的の鑑定で注意することについて
不動産鑑定で価値を知ることはとても重要
今ある不動産を売却しようと思っている時、その不動産が現在の市場でどれくらいの価値があるか、ということを事前に知っておくことは重要です。
それは、これからの資金繰りを考える上でとても参考になりますし、不動産の売却時に必要以上に価格を下げてしまうことによる損をしないための対策にもなるからです。
そのため、客観的な目で第三者のプロの立場から不動産を評価してもらうことは、売買をする第一歩として外すことのできないプロセスでしょう。
不動産は取引の時期で価格が大きく変わる
しかしここまで説明してきたとおり、不動産価値というのは日々変動しており評価をしてもらった時点での価格が今後も継続していくわけではありません。
そのため、売り手が「うちは鑑定でこれだけの価値があると判断されたのだからこの金額で売れるのが当然である」といつまでも考えているのは危険です。
鑑定はあくまで鑑定した時点での価値であり、その後も価値は日々変化しているため、価値が上がったり下がったりする可能性があるということを常に念頭に置いておく必要があるのです。
バブル期などの地価が高騰している時に取引を行った場合には価格が高かった不動産でも、バブルがはじけてしまった後は同じ不動産でも価格は急激に下がってしまいました。
このように不動産は取引の時期で価格が大きく変わるものです。
売り手と買い手が納得しなければ取引は成立しない
また、鑑定してもらった金額はあくまでも鑑定士が鑑定した金額であり、買い手が高いと思うか安いと思うかはまた別問題です。
加えて周辺の地域における不動産売買の需要と供給が大きく関わってきます。
つまり、たとえ鑑定価格が相場より高かったとしても、買い手が高すぎると思って買い手がつかなければ売買は成立しないということです。
そのため、鑑定価格がそのまま売買価格につながるわけではない、ということも忘れないでおきたいところです。
鑑定では高い価格が算出されたとしても実際の売買では、それよりも低い金額で売買が成立する可能性もあるでしょう。
不動産を売却して住宅ローンを返済し、次の住宅を購入するときなどには、実際にどれくらいの金額で売却できるかということが気になるところだと思います。
鑑定価格をそのまま鵜呑みにして資金計画をするのではなく、余裕を持って試算しておくことが重要です。
不動産売却を依頼する際の業者の選び方について
不動産売却を業者に依頼する際、気を付けなくてはいけないのが、業者の選び方です。
不動産の売買は多額の金銭のやり取りになるので、安心できる業者に依頼したいものです。
業者を選ぶ基準としては、例えば地域で評判のいい業者などがその筆頭にあがるでしょう。
ウェブサイトなどでの口コミも一つの情報になりますので参考にしてみてください。
また、売却の相談をしてみて、業者の都合ばかりを押し付けてきたり、こちらの条件や話をあまり聞かずに売買をすすめようとしたりする業者はやめましょう。
逆にこちらにいい顔ばかり見せる業者も心配です。
不動産の売却は素人ではなかなかわからないポイントなどもあるため、不動産業者のプロとして的確にアドバイスしてくれる業者だと安心です。
最後に有利に不動産売却を行うために、ウェブサイトで一括査定を行って保有する不動産の価値を知っておくといいでしょう。
条件を入力すると複数の業者から査定を出してもらうことができるので便利ですし、業者の選定にも役立ちます。
保有している不動産がおおまかにどのくらいの価格になるのかわかるという利点もあります。
また、保有している不動産を売り出し始めたら、できるだけ家を整えて内覧者に魅力的に見えるように工夫してみるのもおすすめです。
同じ物件でも室内状態など整っていると買い手に「住みたい」と思ってもらえるため、買い手が付きやすくなるからです。
簡単なことですが、有利に売却するためにもぜひ試してみてください。
不動産売却に対応する優良な不動産会社を見つけるには?
ここまで説明してきた不動産売却は、あくまで一例となっています。
正確な売却金額を知るためには、売却前に「売却査定」を受ける必要があります。
そのとき大事なのが、複数社に査定依頼して必ず「比較検討」をするということ!
「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」
「複数社に何回も同じ説明をするのが面倒くさい...。」
そんな方は、簡単に無料で一括査定が可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。
一生のうちに不動産売却をする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しない売却をするためにも、不動産会社選びは慎重に行いましょう!
この記事の監修者プロフィール
株式会社worth style home
濵田昭平2005年より東京急行電鉄株式会社財務戦略室主計部にて都市開発における多様な事業セグメントの業務を経験。2012年1月より都心部で高級マンション賃貸仲介業を展開する株式会社ModernStandardへ転職し、賃貸仲介営業職での最短トップ記録樹立。2014年1月より「株式会社worth style home」での総合不動産業をスタート。1,000万円~10億のマンション・土地等の売買仲介業務を行う。
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