マンション売却にかかる費用
マンションを売却する際には、リフォーム費用や税金、登記費用、住宅ローンの残りを売却益で一括返済する場合については、一括繰上返済手数料などがかかります。
また、登記手続きについては司法書士に手続きや書類の作成を依頼すると追加で費用がかかりますし、仲介事業者に売却を依頼した場合には仲介手数料が必要です。
仲介手数料に含まれるもの・含まれないもの
仲介業者に売却を依頼する際には、仲介手数料がかかりますが、この仲介手数料にはどのような費用が含まれているのでしょうか?
仲介手数料に含まれるもの
一般的な仲介手数料に含まれている費用は、広告費、人件費、契約書の作成費などです。
業者によっては確定申告のサポートや融資、引っ越しなどのサポートにかかる費用も仲介手数料に含まれている場合もありますが、基本的には売却の際に必要な業務にかかる費用が仲介手数料だと考えておくと良いでしょう。
仲介手数料に含まれないもの
仲介手数料に含まれない費用は、遠隔地の購入希望者の所まで交渉に出向いてもらう交通費、ゴミの処理、建物の解体、引っ越し時の荷物の保管、測量などにかかる費用です。
遠隔地での交渉については、仲介業者によっては経費として見ている場合もあるため、追加費用が請求されない場合もあります。
また、逆に遠隔地の物件を販売する場合などに現地の業者に物件の管理を依頼する場合などは追加費用がかかる可能性がありますので、注意しておきましょう。
マンション売却にかかる不動産会社への手数料について
はじめに、マンション売却にかかる不動産会社への手数料について、具体的にご説明していきます。
マンション売却時の仲介手数料とは?
仲介手数料とは、媒介契約に基づいて宅地建物取引業者(不動産仲介会社)が、売却依頼者から受け取る報酬のことです。マンションなど不動産の売却時に、仲介してもらう不動産会社に、支払う費用を指しています。
不動産の売却では一般的に、買主を探してもらうために、不動産会社に仲介に入ってもらうことが多いです。仲介手数料は、売却を依頼する際ではなく、買主が見つかり、売買の契約が成立した時点で、売主が不動産仲介会社に支払うルールになっています。
つまり、仲介手数料は不動産仲介会社の成果報酬という訳です。
マンション売却時の仲介手数料の詳細
次に、マンション売却にかかる仲介手数料について、具体的な金額の算出方法や支払うタイミングについて見ていきます。
仲介手数料の計算方法
マンション売却時の仲介手数料は、基本的には次の計算式によって算出されます。売買価格(税込み金額)によって上限割合が異なり、次のように定められています。
- 200万円以下の部分:5%(+消費税)
- 200万円〜400万円以下の部分:4%(+消費税)
- 400万円を超える部分:3%(+消費税)
具体的な計算例で考えてみましょう。
売買価格が税込み2,000万円の物件の場合
- 200万円×5%=10万円
- 200万円(200万円〜400万円の部分)×4%=8万円
- 1,600万円(400万円を超える部分)×3%=48万円
合計 66万円(消費税込み 712,800円)
不動産の売却価格は、多くの物件が400万円を超えるので、速算用の公式もあります。
- 200万円以下の部分:5%(+消費税)
- 200万円〜400万円以下:4%+2万円 (+消費税)
- 400万円超:3%+6万円(+消費税)
先程の2,000万円の物件で計算すると、
2,000万円×3%+6万円=66万円
計算結果は同じになります。
仲介手数料の支払いタイミングと注意点
発生するタイミング
仲介手数料が発生するタイミングは、物件売買の契約締結後になります。不動産会社に仲介を依頼しても、売却が正式に決まって契約が成立するまでは、支払い義務はありません。
一般的には、契約時に仲介手数料を半分だけ支払い、残代金をもらい物件の引き渡しが完了した時に残りの手数料半金を支払います。
いつ支払うのか?
物件の売却が決まり、契約が締結されてはじめて、不動産会社に仲介手数料の請求権が発生するため、このタイミングで支払うことになります。
支払い方法は、現金払いだけでなく、小切手、クレジットカードの分割払いや口座振り込みが選べる不動産会社もあります。
大きな金額になりますので、現金を持参するのが不安、という人は支払い方法を事前に相談してみましょう。
どれくらい払うのか?
仲介手数料は、宅地建物取引業法という法律によって、上限額が決められています。この上限額を超える仲介手数料を、不動産会社が要求する、あるいは受け取ることは違法となります。
先ほど解説した上限額をあらかじめ知っておくと、安心して不動産会社に仲介を依頼できるので、覚えておくと良いでしょう。
手数料に含まれるもの
仲介手数料には、不動産会社側の人件費や広告費も含まれています。そのため、イレギュラーな依頼をしない限りは、その他の費用を請求されることはありません。
例えば、依頼者側の希望による通常の販促活動以外の行為に関わる費用や、遠い場所にいる購入希望者に交渉するための出張費用などは、仲介手数料には含まれず、不動産会社から別途請求される場合がほとんどです。
仲介手数料に関する注意点
マンション売却時の仲介手数料について、知っておきたい注意点をまとめていきます。
売却を依頼する不動産会社選びは、マンション売却の上で、最も重要なポイントとなります。不動産会社によって、価格だけでなく、やりとりの効率の良さなども変わってきます。
その他の不動産取引なども継続して頼めそうな、信頼できる不動産会社と担当者に売却を依頼しましょう。
通常の売却過程における広告費用は、不動産会社が負担することになっています。別途、宣伝費用として請求されることはルールに反しますので、注意しましょう。
契約が締結され、仲介手数料も支払った後に、売却がキャンセルされ、契約解除となってしまった場合、不動産会社の報酬請求権もなくなります。それまでのやりとりで時間や手間はかかっても、売買自体が解除されてしまった場合は、報酬請求権が発生しなくなります。
ただし、買主が住宅ローンの審査が通らず、ローン特約に基づく売買契約の解除となった場合は手付けも仲介手数料も返金されますので、トラブルにはなりにくいです。
仲介手数料の値引きについて
仲介手数料をできるだけ安価に抑えたい場合にはどのような方法があるのでしょうか?
仲介手数料を割引にて対応してくれる不動産会社もあります。信頼でき、仲介手数料を割引対応してくれる不動産会社と担当者を見つけることが、いい不動産売却の近道です。
また、仲介依頼を行う際に仲介した業者のみが契約を行うことができる専任専属媒介で契約を行えば、手数料の値引き交渉を行いやすくなります。
しかし、仲介業者が買主を探して契約を行う専任契約の場合、売りやすいよう売却価格を下げなければならない場合もあるため、仲介料が下がったとしても合計では損となってしまう場合もありますので、注意しておきましょう。
マンション売却時の不動産査定基準を知ろう
売却を予定している不動産の査定基準や、査定方法の違い等を知っておくことで、査定を有利に進めることができます。
マンション査定でプラスとなる基準は?
マンションの不動産査定では、以下の要素があると査定が有利になることがあります。
築浅のマンション
築浅のマンションは高価格で査定されやすくなります。「築浅」と呼べる年数の明確な基準はありませんが、築5年位内であれば査定価格は高くなると考えて良いでしょう。
日当たりが良い物件
日当たりが良い南向きや東向きの物件は、洗濯物が乾きやすい、電気代がかかりにくい等の理由から人気が高く、査定価格も高くなる傾向にあります。
立地条件が良い
交通の便が良い、銀行や大型商業施設といった生活利便施設がある、治安が良い等、立地立地条件が良い物件は査定が有利になることがあります。
マンションの2階以上
2階以上に位置する部屋は、外部から侵入されにくいという理由で、査定が高くなる傾向にあります。
反対に、1階や、外からベランダに侵入されやすい形状のマンションは、査定がマイナスになるかもしれません。
共用設備が充実している
ゲストルームやコンビニ、ジム、託児所といった共用設備が充実しているマンションは、査定価格も高くなりやすいと考えられるでしょう。
半面、設備維持のための管理費や修繕積立金が高くなる傾向がある点はデメリットです。
マンション査定でマイナスとなる基準は?
マンションの不動産査定でマイナスとなりやすい要素は、以下のような内容が挙げられます。
築年数が約15年以上
築年数が約15年を超えると、マンションの査定価格は下がる傾向にあります。
ただし、新耐震基準で建てられたマンションや、耐震改修工事済みのマンションであれば、築年数のマイナス査定も若干緩和されるでしょう。
定期的な修繕が行われていない
修繕や清掃が定期的に実施されていないマンションは、建物の汚れや設備の老朽化が査定価格を下げてしまう恐れがあります。
北向きで日当たりが悪い
北向きで日当たりが悪い物件は、日当たりが良い物件に比べると査定価格も低くなるでしょう。
ただし、立地や間取り、設備といった他の要素で、日当たりの悪さをカバーできる場合もあります。
防犯性が低い
エントランスにオートロックや防犯カメラがないマンションや、近隣の治安が悪いマンションなどは、防犯性の低さが査定のマイナス要素になる可能性があります。
査定の基準は不動産会社によって違う
不動産の査定基準は、マンション査定を依頼する不動産会社や、「戸建て」または「マンション」といった建物タイプの違いによって変わります。
さらに、不動産会社によって「マンションを多く取り扱う所」や「戸建ての売却に強い所」等の違いがあり、過去の査定実績も異なります。複数の不動産会社で査定基準や価格を比較することが大切です。
不動産には3種類の査定方法がある
不動産の査定方法は、大きく分けて
の3種類があります。
各査定方法によって必要な不動産の情報は異なります。
「取引事例比較法」とは
取引事例比較法とは、不動産周辺の過去の取引事例を元に売却額の相場を決め、さらに現在の不動産の状態を加味して評価する査定方法です。
個人宅の不動産売却で最も使われることの多い査定方法です。
「原価法」とは
原価法とは、売却する建物を現時点で再建築した場合いくらかかるか(再調達原価)を調べ、そこから現在の経年劣化分を差し引いて、最終的な価格を決める査定方法です。
「収益還元法」とは
収益還元法とは、収益物件として運用した時の予想収益から売却価格を決める査定方法です。賃貸用物件の査定に適しています。
不動産査定は無料でも有料でも行える
不動産査定は、不動産会社で無料で行うことも、不動産鑑定士に依頼して有料で行うことも可能です。
それぞれの査定方法の違いや、無料と有料を選ぶ時のポイントを知っておきましょう。
不動産会社が行う「無料査定」について
不動産会社に依頼すると、無料で不動産の査定を依頼できます。
ただし、依頼した不動産会社によって査定結果に違いが出やすく、無料査定は、有料査定と違って公的な効力を持ちません。
また、無料査定は、不動産会社が仲介契約を取るために行うサービスの側面もあるため、査定価格はやや高くなる傾向にあります。
一社の無料査定だけではなく、複数の不動産会社に査定を依頼して比較しましょう。
不動産鑑定士が行う「有料査定」について
不動産鑑定士に有料で不動産査定を依頼すると、「不動産鑑定評価書」を作成してもらうことができます。
これは無料の査定と違い、不動産の価格を証明する公的な資料として使用できます。
有料査定の費用は鑑定結果に比例しますが、相場は約15〜30万円です。
なお、査定結果が出るまで1週間以上かかるケースもあります。
無料・有料に関係なく査定金額は後で変わる
無料査定も有料査定も、査定金額の通りに不動産が売却できるわけではありません。
次の項目で詳しく解説しますが、査定結果はあくまでも目安であり、最終的な売却価格と大きく変わることもあります。
従って、複数の不動産会社を比較検討するのみであれば、無料査定でも問題はありません。
一方、査定結果を役所に提出するなど、公的な証明が必要な場合は有料査定を選んだ方が良いでしょう。
不動産を高く売るために知っておきたい査定基準のポイント
不動産を少しでも高く売るためには、査定の価格で満足してしまわず、納得できるまで不動産会社に査定結果について質問することが大切です。
売却価格は査定の後に変わることが多い
不動産の販売を開始しても買い手が現れなかったり、購入希望者から値下げ交渉をされたりした時は、価格を下げるなどして売れるような工夫をしなければなりません。
そのため、不動産の査定額は売却時には全く変わってしまうことがあります。
査定の結果通りに売却できると鵜呑みにせず、買い手が現れて最終的な売却価格が決定するまでは、希望の売却価格で売れるよう不動産会社との打ち合わせを続けなければなりません。
査定基準に不安を感じたらチェックしておきたいこと
不動産会社の査定額に納得できなかったり、数社で比較した時に金額が違い過ぎたりして不安になった場合は、以下の点をチェックしてみましょう。
現地を訪れて不動産の状態をチェックしているか
不動産の査定は、土地に関する「公示地価」等の資料や周辺の取引事例がわかれば、現地を訪問せずとも実施可能です。
このように、資料の情報を元に行う査定を「机上査定」と呼びます。
一方、実際に不動産を訪れて行う査定のことを「訪問査定」と呼びますが、不動産の現状に即した査定結果を望むのであれば、訪問査定を依頼した方が良いでしょう。
例えば、資料上は「閑静な住宅地にある築10年のマンション」と良く表現されていても、交通の便が非常に悪かったり、築年数に見合わないほど老朽化していたりするかもしれません。現状を踏まえた査定結果のほうが、結果的に早く買い手がつくことになるでしょう。
査定額が他の不動産会社より高すぎないか
複数社に査定を依頼した時は、「査定額が最も高い」という理由だけで契約に進まないよう注意しましょう。
悪質な不動産会社だと、仲介契約を結ぶために、わざと高めの査定結果を出すこともあります。
高額な査定を信じて売却に進むと、買い手が見つからずに「売れ残り物件」というマイナスイメージが付いて余計に客足が遠ざかったり、査定時よりも売却額が大幅に下がったりするかもしれません。
査定の時点で適切な売却価格を予測できるように、次の項目で不動産会社選びのポイントを知っておきましょう。
不動産一括査定サービスとは
不動産の一括査定サービスは、複数の不動産会社から不動産の売却価格の査定をしてもらうサービスです。
インターネット上の一括査定サイトが一般的で、物件の基本情報を入力するだけで、条件にあった不動産会社が査定を出してくれます。
不動産会社ごとに査定金額や内訳、売却プランが異なるため、比較検討するのに便利なしくみです。
不動産一括査定サービスを利用するメリット
不動産一括査定を利用するメリットについてご説明します。主なメリットは、次のとおりです。
- 査定依頼の手間がかからない
- 複数社の査定結果を比べやすい
- 売却に強い業者を見つけやすい
- 査定結果の精度を高められる
一括査定サービスを利用すれば、一度の依頼で複数の不動産業者に査定を依頼することが可能です。
インターネット上の一括査定サイトであれば、マンションの住所や条件など基本情報を一度入力して送信するだけで済みます。
不動産会社ひとつずつに個別に依頼するとなると、それぞれに同じ内容を送る必要があり、それだけで時間と手間がかかります。
また、サイトを通して査定を依頼するだけなら無料なので、気軽に使えます。
不動産売却の一番のポイントである業者選びは、比較検討しながら慎重に行わなくてはなりません。
一括査定サービスであれば、複数の会社から同じ条件下で査定結果を得られ、比べやすい点がメリットです。
同じマンションであっても不動産業者ごとに内訳や査定金額、売却プランなどが異なるため、細かく見極める必要があります。
不動産売却においては、エリアごとに強い業者が存在します。
一括査定サービスでは売却したいマンションの情報を入力すると、自動的に適した業者をリストアップしてくれます。
その中から依頼する会社を選べば良いので、よりスームズに売却を進められる業者を見つけやすいのです。
それから、一括査定サービスを利用しているということは、複数の不動産会社に同時に査定を依頼しているということが業者側からもわかります。
すると、業者側における競争によって、精度の高い査定結果が得られやすいでしょう。
業者側は明確な査定根拠をもとに、的確な査定結果を提出することで、信頼を得て最終的に媒介契約を締結しようという動機があるからです。
不動産一括査定サービスを利用するデメリット
では、不動産一括査定サービスを利用するデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
まとめると、次のようになります。
- 登録している不動産会社にのみ依頼できる
- 査定額にばらつきがある
- 営業のメールや電話がくる
不動産一括査定サービスは、登録している不動産会社のみが査定依頼の対象です。
当然ですが、全国のすべての不動産業者が登録している訳ではなく、一括査定サービスごとに登録会社が違います。
そのため、一括査定サイトを利用する際には、そのサイトにどのような会社が登録されているかも大きなポイントとなります。
希望しているマンションの売却金額やプランを提示してくれる不動産会社がそのサイトに登録されているとは限りません。
地域や物件の種類など、その一括査定サービスがどのような特化したポイントを持つのかも確認して利用することをおすすめします。
一括査定サービスで得られる査定内容は、不動産業者ごとにばらつきがあります。
金額だけでなく内訳項目やプラン、条件なども業者ごとの基準で見積もられますので、細かく見て比較検討する必要があります。
あまりにバラバラだと、どの会社が適切な査定を出してくれているのか、わからずに困惑してしまうかもしれません。
そうならないためにも、あらかじめ売りたいマンションの売却相場を自分で調べておくと無難です。
不動産一括査定サービスのほとんどが無料で利用できる理由として、不動産会社にとってはお客となる候補を見つけられる点が挙げられます。
つまり、営業目的も兼ねているという意味です。
一括査定サービスを利用することで、営業の電話やメールなどの連絡が増える可能性があることは承知した上で査定を依頼しましょう。
不要なまでにしつこい営業を避けるためには、無闇に何社にも査定依頼を出さないこと、依頼したいと思う数社に絞って査定をお願いすること、などの対策がおすすめです。
やり取りの煩雑さなどを考慮すると、過去にやりとりをした経験がある信頼できる業者や担当者がいる場合は、一括査定サービスを利用する必要はないといえます。
マンション売却時に不動産一括査定サービスを利用するのが向いている人
以上のような、メリットとデメリットを押さえた上で、マンション売却で不動産一括査定サービスは下記のような人におすすめです。
- 売却にかける時間がないほど忙しい
- 手間を省いて適当な価格で売却したい
- どの不動産会社に依頼していいか見当がつかない
- 複数の査定結果を簡単に比較検討したい
マンションの査定方法には匿名査定もある
マンションなど不動産査定には、匿名査定という方法もあります。
一括査定サービスでは、氏名や住所など個人情報を開示しないと査定を依頼できませんが、匿名査定なら個人情報を入力しなくても査定依頼ができます。
不動産の匿名査定とは
不動産の所在地などの基本情報を入力し査定を依頼しますが、サイト内に入力された個人情報は不動産会社に届かないしくみになっている査定サービスです。
条件に合ったすべての登録不動産会社に情報が届き、査定結果を得る点は一括査定サービスと変わりません。
一括査定の前のお試しサービスのような位置づけとされています。
不動産一括査定サービスと匿名査定の違い
不動産一括査定サービスは、入力した個人情報が不動産会社に開示されることで、直接やりとりが可能になっています。
机上査定とはいえ、近い将来のマンション売却を考えているとみなされ、ある程度高い精度の査定結果が得られます。
一方、匿名査定の場合は、メールアドレスや電話番号といった個人情報は業者に渡らないので、営業連絡を避けることが可能です。
ただ、正式な一括査定サービスの一歩手前のお試しといった意味合いが強く、人工知能で査定価格を自動算出しているサービスもあるので、査定価格の精度の高さは保証できません。
売却を決めている場合は一括査定サービスを、まだ検討中で価格調査などの目的なら匿名査定、というように使い分けると良いでしょう。
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マンション売却の流れと全体の日数はどれくらいかかるの?
マンションの売却に必要な期間がどの程度か、売主であれば気になるところです。一般的に、不動産業者に依頼してマンションを売却する際に必要な期間は、3カ月から6カ月程度と言われています。
以下では、マンション売却の流れを紹介します。
書類などの準備
マンション売却に必要な、登記済証などの登記関係書類、印鑑証明書や住民票などの本人確認書類、税金や住宅ローンの領収書などを準備します。
このほか、マンション購入時の売買契約書や重要事項説明書、管理規約、パンフレット、購入後にリフォームした場合はその資料なども用意しておくと、売却がスムーズに進むでしょう。
物件の査定
査定結果や不動産業者を比較できるよう、複数の不動産業者に物件の査定を依頼するのが一般的です。価格査定では、マンションやその周辺の状況、売主の売却事情などを調査・ヒアリングし、適正な価格水準を提示します。
不動産業者の選定と媒介契約
不動産業者から提示された査定価格などに基づいて、信頼できる不動産業者を決め、委任契約の一種である媒介契約を結びます。媒介契約には「一般媒介契約」、「専任媒介契約」、「専属専任媒介契約」の3種類があります。
価格設定
価格は、販売活動の成否に大きく関わるため、市場動向や周囲の売却事例なども踏まえた査定価格を目安としましょう。成約目標価格、当初募集価格、値下げ後募集価格など、お問合せ状況を鑑みて無理のない価格設定をよく検討し、売却価格を設定します。
販売開始
不動産業者は、不動産の売却情報を一括して公開する指定流通機構「レインズ」への登録をはじめとして、インターネット広告、新聞折り込みやチラシなどを利用して売却マンションの広告を行い、販売を開始します。
内覧
通常、販売開始後しばらく経つと、仲介する不動産業者に内覧希望の問合せが来ます。内覧は、物件の良さをアピールする最大のチャンスとなります。可能な限り予定を合わせて対応しましょう。
購入希望者の決定と交渉
内覧の結果、購入希望者から購入申込書が提示され、条件交渉を行います。この際に、支払金額や支払方法、手付金の金額、引渡時期や方法、そのほか契約に関する様々な内容について、お互いの利害を調整、交渉し、決定していきます。
売買契約
売買契約では、マンションについて、登記記録や売買条件などに関する事項をまとめた重要事項説明書、契約条件をまとめた売買契約書、付帯設備表などを読み合わせ、署名・捺印を行い、最後に手付金の受渡しを行います。
引き渡しと清算
引き渡しの手続きは、通常、買主が利用する住宅ローンを扱う銀行で行います。売却代金の残額を初めとして、税金や公共料金、不動産業者への媒介報酬などを清算するとともに、マンションの鍵を買主に引渡します。
マンション売却で一番日数がかかるのは?
マンションの売却に際して、販売開始から購入希望者が決まるまでの「販売期間」に最も日数を必要とします。以下では、その理由について説明します。
不動産業者の販売活動
不動産業者は、インターネットや新聞折り込みチラシなどを利用して物件の情報を広告します。
店舗に訪れた購入希望者に対しては、物件説明や現地案内などによって販売活動を行いますが、不動産業者は、得意とする分野や営業力に差がある場合も多く、その差は販売活動に現れます。
また、不動産業者から売主への情報提供がスムーズに進んで行かないような場合、購入希望者へのタイムリーな対応が困難という状況もあり得るのです。
熱⼼かつ誠実に販売活動をしてくれるような、信頼できる不動産業者に出合えるかどうかは、売却を左右する大きな要因となるでしょう。
関門となる内覧
販売開始後しばらく経つと、仲介する不動産業者に内覧希望の問合せが来ます。内覧は、物件の良さをアピールする最大のチャンスといえるでしょう。
しかしながら、この内覧は、逆に、マンション売却では最大の関門となります。その理由として、購入希望者が広告を見て受ける印象と、実際に物件を見た印象に相違が発生しやすいことが挙げられます。
また、内覧を希望する購入希望者が効率よく集まるかどうかといった問題もあります。不動産業者の営業活動や物件の状況によって、その数が思うように集まらないことも、売却に日数がかかってしまう要因です。
物件と購入希望者とのマッチング
物件を売り出したからと言って、同じような物件を探していたという購入希望者がすぐに現れるとは限りません。
通常は、売却物件の条件や状態と、マンションを購入したいと考えている希望者の購入予算や希望する立地条件、物件の状態とが一致するまで待たなければならないからです。
マンションの売却にはなぜ時間がかかる?
マンションを売却するためには、なぜこれだけの時間が必要となるのでしょうか?
その理由を見てみましょう。
中古マンション市場はいつでも売却できる仕組みとはなっていない
中古マンションに限らず、不動産は売却に手間がかかるため、流動性や換金性が低い財産と言えます。
そのため、物件の価格が毎日公表されず、すぐに所有マンションの価値を調べることが難しく、このことから、中古マンションの売却では、どうしても査定等に時間がかかってしまうのです。
また、中古マンション物件はいつ市場に出てくるかも予想することができないため、購入希望者としても選択の余地が少ないのも売却に時間がかかる要因とされています。
つまり、売主と買主のどちらにも調査時間が必要となることが、中古マンションの売買に時間がかかる理由なのです。
不動産会社の売却活動もマンション売却にかかる時間に影響する
媒介契約を結んだ不動産会社は物件の売却活動を実施しますが、売却活動の担当者の営業力によっても売却にかかる時間が左右されます。
特に、買主となりそうな顧客の見極めと宣伝、物件価格の設定については、売れ行きに大きく関係する事象ですので、不動産会社をどう選ぶかによっても売却にかかる時間が大きく変わると考えておくと良いでしょう。
マンション売却の販売期間はどれくらいの日数を目安にすればいい?
マンションを売却する際、販売期間の目安は3カ月から6カ月程度と言われています。主な理由として、不動産売却の媒介契約が3カ月の契約期間であることや、この期間を過ぎても掲載されている物件は売れ残りとの印象を与えてしまうことが挙げられます。
専任媒介契約の有効期間は3カ月
不動産業者を通じて売却する場合、売主は不動産業者との間で、媒介契約を締結します。
媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があり、このうち、契約した不動産業者が専任で売却活動を行うことのできる「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」の有効期間は、3カ⽉に規制されています。
依頼者は他の業者に依頼できないという拘束を受ける代わりに、依頼を受けた不動産業者には、積極的に販売活動を行うよう期間の規制が課されるのです。
この期間中に売却が成立しなければ、不動産業者は媒介報酬を得ることができないうえに、契約期間が終了しても、依頼者から契約更新の依頼がない限り、自動更新もできません。
なぜなら、マンションを探している購入希望者から見れば、閲覧した物件が登録から3カ月を経過している場合、売れ残っているとの印象を与えることにもなりかねないからです。
マンション売却に3カ月以上かかると対策を講じた方がいいのはなぜ?
マンションの購入希望者が物件を探す際、地域や条件を限定して物件の情報を継続的に収集することも、珍しいことではありません。ある程度掲載サイトを絞り込んだ後は、「新着」情報に注目することになるでしょう。
売却の目安である3カ月を超えるような、長期間にわたって掲載されている物件は、「売れ残り」や「何か問題がある」といった印象を与えてしまう恐れがあります。
このため、売却に3カ月以上時間がかかっているような場合には、仲介している不動産業者は売却価格の値下げを提案してくることも考えられます。
また、不動産業者との専任媒介契約は有効期限が3カ月であることから、別の不動産業者への依頼を含め、その後に依頼する不動産業者について、再検討する時期でもあるのです。
このように専任媒介契約の更新に合わせ、なんらかの対策を講じることが効果的であるといえます。
以上のことを含め、マンションの売却に際しては、一般的に目安となる3カ月以上買主が決まらないようであれば、価格や物件の状況などの売却が進まない原因について対策を講じることが望ましいでしょう。
売却価格の値下げについては、すぐに応じる必要はないものの、売却が進まない要因となっている場合であれば、改善すべき売却条件の一つとして検討することも必要です。
マンション売却の日数を短くするためにはどうすればいい?
複数の不動産業者と媒介契約を結ぶ
複数の不動産業者と媒介契約を締結する方法もあります。広告の幅が広がるほか、不動産業者ごとに得意とする分野が異なったり、特色を持った営業活動が行われていますので、比較しながら売却を進めることができます。デメリットとしては、お問合せが分散してしまうため、市場からの反応などが掴みにくくなる点、指定流通機構「レインズ」に複数業者から募集掲載があり、売り急いでいる印象を与える点などがあります。
物件に適した売買契約の選択
マンションの売却方法として、自ら売主として買主を探す「媒介契約」のほかに、「買取」や「買取保証」といった仕組みもあります。このような方法も検討し、物件にあった売買契約を選択するといいでしょう。
「買取」とは、売却したいマンションを不動産会社に買い取ってもらう方法です。メリットとして、不動産会社が買主となるため、提示される価格で納得できるのであれば、すぐに売却することが可能となります。
また、不動産業者によっては「買取保証サービス」を設けている場合もあります。これは、一定期間内に売却できなかったとき、事前に契約した価格で買取るというサービスです。
適正な価格設定
価格査定の際、不動産業者は対象のマンションやその周辺状況などを調査し、また、社会経済状況も加味した分析を行います。3カ月程度で売却可能と判断される適正な価格水準を判定しますが、通常、業者ごとに相違があります。
価格設定を行うときは複数の不動産業者に査定を受け、相場を把握しておくことも大切です。その際、インターネットを利用して「一括査定」を受けることができる、一括査定サイトを利用する方法もあります。
価格は、売主の希望より上乗せして設定することが可能です。ただし、購入希望者に、物件の購入について「これなら買いたい」と感じてもらえるような価格設定にすることも、考慮する必要があるでしょう。
不動産会社による買取を検討する
マンションを売却する際、時間をかけずに売却したい場合は、不動産会社による買取してもらう方法があります。
価格査定をし、買取価格を提示してもらい、金額に納得がいった場合に売買契約締結、引渡しとすすむため約1ヵ月程度で売却を完了することができます。
買取価格は、その後の不動産会社の売却価格を見据えた金額提示のため、若干安めの価格提示となることが懸念点ですが、室内が明らかにリフォームなど行わないとならない劣化具合の場合、資金難などで売却しなければいけない期日が明確である場合、相続などで引き受けた不要な不動産のため維持管理コストを鑑みて早めに売却したほうが有利な場合などは、買取を検討したほうが売主メリットが高いケースがあります。
適切な売却価格を設定し値下げ交渉にも対応する
中古マンションの購入を考えている顧客は、物件情報を常に確認しているため、相場とかけ離れた価格を設定していると、希望者が見つかりにくくなります。
また、値下げについても、値下げ幅をあらかじめ決めておけば、交渉をスムーズに進めることができるでしょう。
マンション需要に合わせて売却する
マンションの需要は転勤や進学が多い1~3月、9~11月に高まります。
この時期に売却を開始することで、より物件が売却できる可能性が高くなるでしょう。
また、もしこの時期に売却できなかった場合には、需要が減ることが予想されるため、価格の引き下げも考慮します。
マンションを買取で不動産会社に売却するのはオススメ?
中古マンションの買取とは?
マンションの売却方法のひとつである「買取」は、買取専門業者が買主になる不動産取引です。仲介取引との主な違いは、以下の通りとなります。
|
買主 |
売却までの期間 |
売却価格 |
買取 |
買取専門業者 |
早期完了 |
仲介よりも低くなる可能性が高い |
仲介 |
一般個人 |
広告活動で買主が見つかるまで |
相場価格で売却できる可能性が高い |
表からも分かる通り、売却までの期間が仲介よりも早いという点は、買取の大きな特徴です。
仲介では、売却を依頼した不動産会社が、広告活動(チラシやホームページで物件を紹介)を行って、中古マンションを買いたいという個人を探します。
そのため、広告活動の内容や、マンションの状態によっては、なかなか買い手がつかないこともあります。買取では、買取業者が査定した価格に売主が納得すれば、すぐに売却が完了となります。
価格は、仲介よりも買取のほうが安くなるケースがほとんどです。一般的に買取価格は、仲介売買における相場価格の「6割程度」になると考えておきましょう。
マンション買取業者の運用傾向
マンションの中古買取件数は年々、増え続けています。中古マンションを買い取って、自社でリノベーションした後に再販する「買取専門業者」が増えてきているからです。
大手の不動産会社も中古マンション買取再販市場に参入し、都心は買取激戦区になっています。参入する業者が増えることで価格競争が起こり、少しでも高い価格で買い取ってもらえる可能性が高くなります。
買取専門業者が増えることは、売主にとってはよい傾向といえるでしょう。
買取依頼の際は、数社に査定依頼を出し、競合業者があることを伝えます。価格競争によって、少しでも高い買取金額を提示してもらうといった工夫が必要です。
買取のメリット・デメリット
マンションの買取のメリットとデメリットについてまとめました。どちらもしっかりと理解した上で、取引を進めていくことが大切です。
マンションを買取で売るメリット
マンションを買取で売却するときには、次のようなメリットがあります。
仲介手数料が不要
仲介手数料の上限は法律で定められていて、次のような計算で求められます。
【(成約価格×3%)+6万円 】
例えば、2500万円でマンションを売却したときには、81万円の仲介手数料を支払うことになります。これは、売却を仲介してくれた不動産会社への成功報酬です。
買取では「仲介」という取引自体がありませんので、仲介手数料を節約できるというメリットがあります。
売却に時間がかからない
仲介売買では、不動産会社が「この物件を売出しています」という広告を出し、買主を募集します。すぐに申し込みがあるように、不動産会社も戦略を立てて広告活動を行いますが、いつ買主が現れるかは分かりません。
すぐに売れるかもしれないし、いつまでも売れないかもしれない。買取ではこんな不安を持つ必要がありません。査定が終わり、価格に納得して契約をしたら、売却です。
売却までの期間は、諸手続きなどを考慮しても、平均して約1ヵ月と、仲介に比べて短い期間で完了します。
瑕疵担保責任が免除される
瑕疵担保責任とは、売主が買主に対して負う建物の保証責任です。建物の欠陥について、通常は売買後2ヵ月以内に発生したものを、売主負担で対応します。
雨漏りや壁のヒビ割れなど、重大な欠陥が見つかれば、修繕に数十万円~数百万円の費用がかかることもあります。
仲介売買では瑕疵担保責任が発生しますが、買取では、買取業者が現状のまま買取しますので、瑕疵担保責任が発生しません。
瑕疵担保責任は、消費者個人を守るためにありますので、取引相手が業者の場合は、個人がその責任を負わなくてよいことになっています。
内覧を受ける必要がない
仲介売買では、買主に物件の現状を見てもらうために「内覧」を行います。売却のためとはいえ、「知らない人に生活を見られる」という、心理的、時間的な負担がともないます。
買取では、初回の査定で部屋の中を見せますが、その後の内覧はありません。売主の内覧による負担が軽くなるのも、買取の大きなメリットといえます。
現状のままで引き渡せる売却のためのリフォーム費が不要
買取業者は査定をするとき、物件の現状を見て査定をします。売主にリフォームや修繕を要求することはありません。
むしろ、その後の運用(リノベーション)をしやすくするために、大掛かりなリフォームなどをしないで欲しいというのが業者の本音のようです。
スケジュールに合わせてもらえる
仲介売買では、買主が現れるのを待ち、買主が購入を決断するのを待つ必要があります。急がせることはできません。しかし、買取では取引相手が「業者」ですから、スケジュール調整を申し出ることが可能です。
急いで売却したいときなど、要望を聞いてくれることが多く、売主のペースで売却できるというメリットがあります。
マンションを買取で売るデメリット
買取のデメリットで、最も大きなものは「買取額が安くなる」という点です。仲介売買での相場価格の約6割~7割になるといわれています。
なぜ買取では価格が下がるのか
買取価格が下がってしまうのは、「手を加えて売り出す」という前提があるからです。買取業者は物件を安く仕入れて、リフォームの経費と自社の利益を上乗せしてから再販します。
相場価格で再販するためには、仕入(買取価格)を少しでも安くする必要があるのです。
買取に向いている物件とは?
仲介による売却が難しいマンションの場合、買取がおすすめです。以下のようなケースでは買取を検討してみましょう。
築年数が古い
マンションの相場価格の設置は、築年数で考えると「30年以上」がひとつの目安になります。マンションの構造自体は30年以上の耐用年数がありますが、給排水設備や配管の寿命が、30年程度と考えられているからです。
そのため、築30年を境にして、相場価格は急に下がり始めます。築30年以上のマンションを売却するとき、仲介売買では価格をかなり下げないと売れにくくなるのが現状です。
場合によっては買取価格と差がなくなるため、すぐに売却できる「買取」のほうが、メリットが多くなります。
管理状態が悪い・劣化している
売却までの室内の使い方や、メンテナンスの頻度によっては、築30年以上経過していなくても、それと同等の価値とみなされることがあります。
買い手の心理として「汚れ」や「臭い」が酷い物件は避けたいものです。キズや壁紙のはがれも、メンテナンス不足とみなされ、売れにくくなります。
買取では現状のままの売却が可能ですので、購入後のリフォームが必須になると明らかな物件には、買取のほうがおすすめです。
事故物件
事故物件とは、殺人事件や自死などの死亡事故があった物件です。不動産業者は買い手に対し、事故物件であることを告知する義務があります。
上下左右の部屋で事故があったときにも告知義務がありますので、自室で事故を起こしていなくても売れにくくなることがあります。事故物件の売却を考える場合は、仲介売買よりも、確実に価格の出る買取が向いています。
旧耐震基準のマンション
旧耐震基準のマンションとは、建築基準法が大幅に改正された、「1981年5月以前の基準」で建てられたマンションです。震度5クラスの揺れで倒壊しないことを目標にした基準となります。
1981年6月には「新」耐震基準となり、震度5クラスの揺れではほぼ損傷せず、震度6~7クラスの揺れでも倒壊しないことを目標にした基準となりました。
1981年5月以前のマンションすべてが、基準を満たしていないのではありません。中には独自の厳しい耐震基準をもって建てられたマンションもあります。
1981年5月というのはあくまでも目安であって、正確なところは耐震診断を行わないと明らかにはなりません。
耐震診断によって旧耐震基準であることが分かったら、現在の耐震基準を満たすために、耐震補強工事を行います。
マンションなどの大規模建築では、耐震補強工事だけで数千万円の費用がかかることもあり、実際には耐震工事が必要なのに「実施できていない物件」が数多くあります。
耐震基準を満たしていない物件は、当然ながら買い手がなかなかつきません。仲介売買で旧耐震基準のまま買主を探すのは難しいでしょう。
しかし、買取であれば、耐震工事を行うことを視野に入れた査定をしてくれるので、旧耐震基準のマンションでも買い取ってもらうことが可能です。
賃貸という選択は?
マンションを売却するのではなく、賃貸として転用した場合、すぐに代金を手に入れることができるのでしょうか。どのくらいの利益が見込めるのか、などマンションの賃貸転用について詳しく見ていきます。
賃貸の注意点
マンションを売却せず、賃貸マンションとして貸し出した場合、不動産を所有しながら家賃収入という不労所得を得られます。
分譲マンションであれば、設備や仕様、管理などが賃貸マンションに比べて整っているものが多く、賃料を高めに設定しても、入居者が見つかりやすい傾向にあります。
また、居住時に支払っていた固定資産税やローンの金利などを、経費として計上でき、控除の対象として含めることで、節税にも役立ちます。
賃貸のデメリット
上記のようなメリットがある反面、デメリットもあります。主なデメリットについてご説明していきます。
収入が不安定
不労所得として賃料を得られるのは、すぐに入居者が決まった場合です。もし何ヶ月も入居者が決まらず空室が続けば、その期間は無収入となってします。
また、一度入居してもすぐに退去してしまう可能性もあり、いつも満室である保証がないため、収入が不安定です。さらに、経年とともに賃料は下がってしまうため、収入が右肩下がりの傾向にあります。
転勤などやむを得ない事情で、住宅ローンが残るマンションを賃貸として貸し出しても、黒字になるとは限りません。
初期費用/ランニングコストがかかる
賃貸としてマンションを活用するために、初期費用としてクリーニング代金が発生します。また、リフォームを行う際の費用は高額になりやすく、その費用も自己負担です。
入居者がいる間も、設備の修繕費や維持管理費なども、基本的には大家側の負担となっています。借主が代わった際には、敷金の返却や原状復帰のための工事費用の支払いなども、その都度行わなければなりません。
家賃の集金を管理会社に委託すれば、手間は省けるものの、ランニングコストが高くなります。こうした賃貸マンションの運営に関わる費用と手間についても、あらかじめ踏まえた上で、賃貸マンションへの転用を考える必要があるでしょう。
賃貸トラブルの可能性
借主とのトラブルが発生する可能性あります。賃料の未払いをはじめ、近隣の住人との揉めごと、ゴミ出しなどのマナーの悪さなど、さまざまな問題に貸主として関わらなければならなくなります。
そうしたトラブルが原因で、退去を依頼しても出ていかない、また、高齢化による孤独死の確率が高まるなど、将来的に発生するかもしれない問題は、多岐に渡ります。
対策として、借主をある程度制限するという手もありますが、それにより空室期間が長くなる可能性もあるので、一概に規制するのは難しいでしょう。
金融関連の問題
住宅ローンが残っているマンションを、賃貸として貸し出した後、新たにローンを組んで新居を購入しようとする場合、2つのローンを並行して組めない可能性もあります。
さらに、現在の住宅ローンよりも金利が高い、不動産投資のローンへと切り替えを余儀なくされるケースもあります。そうなると、ローンの残高が増えることになり、完済までの時間が長くなってしまいます。
賃貸マンションとして現在のマンションを転用すれば、新居が早く購入できる、と安易に捉えずに、こうした住宅ローンの問題について、よく考慮する必要があります。
すぐにお金が必要な場合はどちらがお得?
結論としては、すぐにお金が必要で、現在のマンションを売りたいという場合、賃貸より売却(買取)の方が向いていると言えます。
買取では、それでも賃貸で発生しうるリスクもなく、一時的な取り引きで完了できます。
賃貸マンションにした後の、空室リスクや管理費、建物自体に必要な修繕積立金といった諸経費、さらに固定資産税などのコストを考慮し、不要資産であれば、売却メインで検討することがおすすめです。
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ローンが残っているマンションを売却できるのか
ローンがまだ残っているマンションでも、条件をクリアすることで売却が可能になります。その条件とは「抵当権を外す」ことです。
「抵当権」とは銀行などの債権者から住宅ローンなどのお金を借りたときに、建物や土地などを担保とする権利のことを言います。
もし、債務者が借りたお金を返済できなくなった場合、銀行などの債権者は担保とする建物や土地などを競売で売却してお金を回収します。
抵当権を外すには、ローンの残債を全額支払う必要があります。
この場合、マンションを売却した代金を残ったローンの返済に充てることができるため、マンションを売却するときは残ったローンより売却金額が高くなることが望ましいとされています。
しかし、ローン残高より高く売却できる保証はなく、売却金額より残ったローンが上回った場合は「オーバーローン」となり、不足分を自己資金で支払わなければなりません。
ローンが残っていてもマンションの売却益で完済できる場合
ローンが残っていてもマンションの売却益で完済できるケースをご紹介します。
マンションの売却方法は普通の不動産取引と同じ
マンションの売却方法は、普通の不動産取引と同じです。しかし、マンション売却を決めた際、マンションを売却してその代金でローンを一括返済したい旨を銀行などの債権者に申し入れておきましょう。
マンション売却の流れ
主なマンション売却の流れは以下の通りです。
1 相場のリサーチ
近隣のマンションの売却価格や同じようなマンションの売却価格などを調査し、市場相場をリサーチします。その他に成約事例なども参考にするといいでしょう。
2 不動産会社に査定を依頼する
相場がつかめたら、今度は実際に不動産会社に査定を依頼します。データで査定する「机上査定」と物件に出向いて査定する「訪問査定」があります。
3 業者を選定し媒介契約締結
複数の不動産会社の中から信頼してマンション売却を任せられる業者を選定し、媒介契約を締結します。
4 販売価格設定する
媒介契約を結んだら、マンションの売り出し価格を設定します。査定額と希望額を目安に市場の動向を見ながら、不動産会社と相談して決めるといいでしょう。
5 販売活動を開始する
不動産会社がマンションの販売活動を開始します。販売活動にはインターネットサイトへの掲載や広告、チラシなどの方法があります。
6 内覧
購入を検討する内覧希望者が出てきた場合には、実際に物件を見てもらいます。当然部屋の中をチェックするので、好印象を与えるためにも事前に清潔感のある空間にしておくことが大切です。
7 購入希望者決定
購入希望者が決定したら買主・売主・不動産会社で価格や条件などの詳細を決めます。このとき、譲渡日も話し合いで決めます。
8 決済
買主が売主に購入代金を支払い、決済します。
9 金融機関などへ一括返済し抵当権を抹消
決済が済んだら、金融機関などへ一括返済し抵当権を抹消してもらいます。このとき、抵当権抹消登記申請書や登記済証、登録免許税の収入印紙などの書類が必要になります。
10 引っ越し
引っ越しをしてマンションを明け渡します。
マンション売却が完了するまでの期間は、平均的に約3カ月程度です。媒介契約の契約期間が3カ月であるため、3カ月ごとの期間が目安になっているようです。
マンションの売却益がローン残高に満たない場合
マンションの売却益がローン残高よりも少ない場合でも、マンションの売却益で一括返済を行える場合と、決済までの流れはほとんど同じです。しかし買い手から購入代金を受け取ったとしてもローンの残債を完済しない限り、売却手続きを完了することができません。
そのため、自己資金をプラスしてローンを完済する必要があります。決済後の返済金額の不足分は預貯金や株の売却、保険の解約などで自己資金を得る方法や、新たななローンを組む方法などで賄うことができます。
新たなローンを組む方法とはローンの借り換えやつなぎ融資のことです。
ローンの借り換えは、新たなローンを金融機関で組んでローンの残債を一括返済するローンのことで、つなぎ融資はローン残高分を新たに金融機関から借りるローンのことを言います。
上記のような商品もありますが、一般的に多額のローン残高がある場合銀行から新たな借り入れをするのは難しくなります。
マンションの売却金額よりローン残高が多く、自己資金も用意できない場合などは売却活動自体を見直す必要があります。
マンションを売却する前にどれくらいの金額で売却することができるか、そして売却後の不足分はどのように賄うのかを検討しておくことをおすすめします。
マンションの住宅ローン返済が困難になった場合
マンションの住宅ローン返済が困難になった場合、「競売」または「任意売却」という方法があります。「競売」とは銀行などの債権者が抵当権を実行し該当不動産を強制的に売却することです。
これからもう一つの方法である「任意売却」について、詳しくご紹介していきたいと思います。
任意売却とは
「任意売却」とは住宅ローンなどの借入の返済が困難になり、不動産を売却してもローンの残債が残る場合に、金融機関などの債権者の合意を得て不動産を売却する方法のことです。
ローンの返済が滞ると債務者がローンを分割で支払う権利(期限の利益)が失われ、銀行などの債権者は抵当権を実行し、債務者が所有する不動産を競売にかけます。この場合、売却価格などは売主である債務者が決めることはできません。
しかし任意売却を選ぶことで、売主である債務者が決めた売却価格で通常の不動産売買と同じように取引することができます。
任意売却は「競売」とは違い、強制的に自宅が売却されないため、近年選ばれるケースが増えています。
任意売却の流れ
任意売却の流れは以下の通りです。
1 相談先の選定
任意売却は法律の知識や債権者との交渉技術などの専門的な知識を有するため、任意売却を専門とする業者を選びます。
2 任意売却ができるかの現状確認
滞納している期間やローン残高など現在どのような状況なのかの詳細を、選定した専門業者に相談します。
3 マンションの査定
該当する物件の査定を行います。査定には「机上査定」と「訪問査定」があります。
4 業者と媒介契約締結
売主と業者の間で媒介契約を結びます。
5 債権者または抵当権者と保証人との交渉
金融機関などの債権者や抵当権者とマンションの売却価格などを交渉します。
6 任意売却の開始
業者間の情報システムやサイトの掲載などを利用して売却活動を始めます。他には新聞やチラシ、住宅情報紙などへの掲載も行われます。
7 購入希望者選定
該当不動産を高値で購入できる買主を選びます。
8 債権者の同意を得る
売買代金分配表や購入申込書を債権者に提出して同意を得ます。このとき売却代金には売却に関する諸費用(司法書士費用や仲介手数料など)や引っ越し費用なども含まれることがほとんどです。
9 任意売却契約の締結
買主と売買契約を締結します。
10 引っ越しまたはリースバック契約締結
引っ越しまたはリースバック契約を締結します。
「リースバック契約」とは業者や投資家などの第三者に物件を購入してもらい、その買主に月々の家賃を支払うことで該当不動産に住み続けることができる契約の事です。
11 任意売却契約の完了と清算
通常の物件売買と変わりませんが、差し押さえや抵当権を抹消し清算します。このとき引っ越し費用や余剰金などが支払われるケースもあります。
12 引っ越し
新たな住居へと引っ越しし、新生活が始まります。
任意売却の期間は約3カ月~約5カ月程で、最短で2カ月程かかります。
任意売却できない場合はどうなるのか?
任意売却ができないケースには、競売の手続きが進行しており任意売却での契約完了までの時間が足りなかったり、債権者が任意売却に同意しなかったりと様々ですが、任意売却できない場合はその後どうなるのでしょうか。
任意売却できなかった場合、最終的には競売にかけられます。競売にかけられることで立ち退きを命じられるため、自宅から強制的に退去しなければなりません。
ローンを滞納している期間が長いと競売の手続きが進行し、任意売却の契約完了までの時間が足りなくなったり、任意売却の申請をできる期日を過ぎたりしてしまうので、任意売却を考えたらできるだけ早めに専門業者に相談しましょう。
また債権者との信頼関係が破綻していると債権者の承諾が得られないケースがあるため、滞納した時点でこまめに連絡し、今後の返済の見通しなどを銀行などの債権者と相談するといいでしょう。
マンションの築年数による価値の下落率について
マンションの築年数による価値は、どのくらい下落するものなのでしょうか。
マンションはいくら築年数が経っていても価値が0にはなることはない
まず、マンションは築年数が古くなっても、価値が0になるということはない、と言われています。マンションの価格に影響する要素として、耐用年数というのがあります。
税務上で減価償却資産として利用できる期間を法定耐用年数といい、マンションの場合は47年とされています。この47年という数字が、マンション寿命として使われることが多くなっているようです。
しかし、実際に建物として維持され、住み続けることができる物理的耐用年数は、最近の建築技術で建てられたマンションであれば100年は超えるとされています。このことからもマンションの寿命が47年という数字は間違いであることがわかります。
つまり、マンションの資産価値が、この法定耐用年数と必ず一致しているとは言えないということです。また、かなりの築年数であってもマンションの土地にも価値があるため、0になることはまずありません。
マンションの価値の下落率は不均等
日本では新築至上主義が強い、という背景もあり、新築が最も価値が高くなります。その後価格が最初に下落するのが購入時で、新築時の価格より約10%下がると言われています。
住んだ時点で中古となり価格も下がるという訳です。そこから5年ごとに約10%ずつ下落していきますが、築20年を超えたところから下落率は緩やかになり、特に築25年を超えたあたりからは価格に大差が見られなくなります。
なぜなら、築25年を超えたマンションを購入検討する者にとって、築年数はさほど重要でなくなるからです。
また、ヴィンテージマンションのように、時間が経つほど希少価値が高くなる物件もあります。中には、購入待ちも出るほど人気のマンションや、新築時並みの価格で売買される物件も出ているようです。
このように、一概に「築年数が多い=価格は低い」とはならず、マンションの価値について下落率は築年数に対して不均等となっています。
マンションの築年数による査定額の下落率と売却のポイント
ここからは、具体的なマンションの築年数による査定額の下落率、そして売却時のポイントについて詳しくご説明していきます。
築年数が3年未満のマンションの特徴
築3年以内と非常に築年数が浅いマンションは、基本的に新築と同じくらいの価格で売却できると見込まれています。新築で購入する人が多い中、3年経たないうちに売ってしまう人は非常に少ないので、市場に出回る物件自体稀ではないでしょうか。
そのため、希少価値の高い新築中古マンションとして売ることができます。ただし、このタイミングで売却すれば、事故などの訳あり物件というレッテルを貼られる可能性も考えられます。
そうなると、築浅の優良物件であっても不利になり、売れ残りの確率も高まるでしょう。中には短期間で売買を繰り返す、住み替えのプロも存在します。
築年数が5年未満のマンションの特徴
築5年未満のマンションは、新築とほとんど変わらないというイメージが強い市場です。平均的な査定額の下落率は、新築時に比べて約15〜20%と言われています。
設備や仕様の陳腐化による影響を受けにくい年式なので、立地条件や設備の充実度によっては、新築に近い価格での売却も可能です。経済状況によっては、購入時よりも高い価格で売却できる可能性もあるでしょう。
この築年数のマンションはあまり市場に出回らず、希少なので多少高値で売り出したとしても内覧者や購入希望者が多く集まるでしょう。
ただし、売却価格が高くなるとローンの審査が厳しくなり、最悪成約に至らないケースも出てくるので注意が必要です。
内覧者や購入希望者が多いからといって安心せず、その中から優良な買い手を見つけることがポイントだと言えます。売却を予定しているのであれば、築4〜5年のタイミングで一度査定をしてもらっておくと、売却時のイメージが湧きやすいのでおすすめです。
築年数が10年未満のマンションの特徴
中古マンション市場で最もライバルが多いと言われているのが、築10年未満の物件です。
まだまだ築浅の部類に入るものの、競争が激しくなるため値引き合戦になりやすいので、売れるための価格設定が必要でしょう。築5年の物件のような、強気の値段設定は要注意です。
査定額の下落率は、平均して新築時より約20〜30%といわれています。築10年を超えると、一気に内覧者が減り始めるといわれていますので、仲介は積極的な販売戦略を立てられる不動産会社に依頼するようにしましょう。
ただし、販売戦略の甘い不動産会社に仲介を任せると、値引き交渉に応じざるをえなくなるなど、不利になりやすいので気をつけたいところです。築10年未満で売却するためには、8〜9年の段階で査定を依頼するなど、準備を開始する必要があります。
築年数が15年未満のマンションの特徴
築10年以上15年未満のマンションも市場にあふれています。新築時と比べた査定額の下落率は、約30〜40%といわれていますが、この年式のマンションは管理状態などにより差が出やすい傾向にあります。
新築時から1回目の本格的な修繕のタイミングであり、修繕積立金が増額される時期ともされています。修繕積立金がしっかりとあればそのまま使えますが、もし足りない場合は一部を負担しなければなりません。
15年近く経つと、管理状況や使用状況によって経年劣化が目立ちやすく、修繕リスクが高まります。売却するなら早めに検討を始めた方が良いでしょう。
また、この時期になると購入者側の住宅ローンの問題も出てきます。最長でもローンの返済期間は35年までで、築12年以上は最長ローンを組めませんので注意が必要です。
不動産会社に査定を依頼する際には、査定額の根拠を必ず聞き、細かな部分を査定額に反映してくれるような担当者を選ぶことをおすすめします。
築年数が20年未満のマンションの特徴
築20年未満になると、査定額の下落率は新築時に比べて約40〜50%ほどに上ります。ただし、この時期はそのまま売却するだけでなく、リフォームを前提にして売却することも視野に入れる必要があり、その分価格が安くなっているとも言えます。
修繕や設備の陳腐化のリスクも高まるので、自由にリフォームできる点をアピールして売り出すのもひとつの手段です。
このように、リフォームを目的に購入を考えている人へのアプローチや販売戦略が大切なので、そういったスキルに長けている不動産会社に仲介を依頼しましょう。
また、同じマンションの住居者へ売却を勧める、という選択肢もあります。マンション内での住み替え、あるいは居住者の親族に購入を勧める方法です。
築20年以上になると、資産価値の下落は緩やかになると言われています。急ぎでなければ、じっくり不動産会社を探しながら売却を進めるといいでしょう。
築30年以上のマンションの特徴
築30年以上経過したマンションだと売れないのでは、と心配されるかもしれません。しかし、この時期でも市場ニーズはあり、10〜15年程度もつようにリフォームして住みたいという人が多く見られます。
リフォーム費用を外して考えるならば、マンション自体の評価額は0、土地の評価額程度での売却になる可能性が高いでしょう。
また、築30年経つと1981年改正の新耐震基準を満たしていない物件もあり、その場合、銀行の担保評価に影響し、融資がつきにくくなります。しかし、改修などで新しい耐震基準に沿っていれば、そこがアピールポイントとなるでしょう。
そもそも、1981年以前は耐久性が高い資材や構造など、高度成長期の時代背景を反映した高級物件も少なくありません。ただ古いからと妥協するのではなく、その物件の特徴を適切に把握することで売却に向けて活かせる戦略があるかもしれません。
高齢者など年齢を重ねた購入希望者だと、長期ローンを組めないため、短期ローンや現金払いができる物件を探す人も多いようです。こうしたターゲットに絞ることも重要だといえます。
査定額の下落率から見るマンション売却の目安となるタイミング
この章では査定額の下落率を把握した上で、マンション売却の目安となるタイミングについてまとめます。
早期売却を検討しているなら10年以内がベスト
中古マンションの購入を希望する人のうち、約6割の人が築10年以内の物件を探しています。この時期が、買い手にとって最もコストパフォーマンスが良いと言えます。
売り手にとっても、このタイミングでの売却は税金面で優遇を受けられるため、買い手と売り手双方にメリットがあるといえます。購入側が住宅ローンを組む場合築12年以内が好ましいので、やはり築10年以内がベストなタイミングでしょう。
成約価格が落ち込む15年以内に売却する
築10年以上経つのであれば、築15年以内の売却がおすすめです。なぜなら築年帯別の平均成約価格では、築15年を過ぎると一気に成約率が下がっているからです。
つまり、築16年以上になるとマンションの資産価値は底をつくということになります。その前に売却することができればより高い売却価格が見込めるというわけです。
売主の税金対策として、築25年以内に売却すると住宅ローン控除が利用できるので、このタイミングがひとつの目安となります。
マンションをより高値で売却するポイント
前途を踏まえて、マンションをより高値で売却するための要点は次のようになります。
売却費用を抑えて売却価格を高く設定する
マンションをできるだけ高額で売却するためには、「売却にかかる費用は最低限に抑え、高い価格で売却する」という基本的な考え方に沿って実践するのが一番です。
費用には不動産会社に支払う仲介手数料や引っ越し費用などが含まれますが、ほとんどの場合仲介手数料は上限価格で設定されています。そのため、知人の紹介の不動産屋さんや、会社と提携して割引対応してもらえる不動産会社を利用することでコスト削減が可能です。
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マンション売却の良い仲介業者の選び方
マンション売却時に知っておきたい仲介業者の特徴
大手不動産会社の特徴
大手不動産会社の特徴は、なんといっても会社そのもののブランド力の高さです。
さまざまな媒体で宣伝活動を行っているため、知名度が高く、買い手や売り手も集まりやすいでしょう。
また、従業員数も多く、営業担当者も豊富なため、比較的対応もスピーディで、物件取り扱い数が多いことから、宣伝活動も活発です。
反面、物件数の少ない地方では情報不足となりやすく、苦手としている場合もあります。価格帯が安めな場合、新人営業が担当となることもあるので注意が必要です。
フランチャイズ型の不動産会社の特徴
フランチャイズ型の不動産会社とは、地域密着型の不動産会社が大手不動産会社グループに参加し、店舗名を借りて営業している業態です。
大手のブランド力と広告力、地域密着型の情報力が魅力ですが、従業員数が大手に比べて少ないため、営業の手が回らず、対応が遅くなってしまう可能性があります。
地域密着型の不動産会社の特徴
地域密着型の不動産会社は、1店舗または地域内のみのチェーン展開を行っている中小規模の不動産業者です。
地域内の不動産取引を中心に業務を行っていることから、情報の精度が高く、査定額もより正確に算出されるという特徴があります。
しかし、会社規模が小さく、ブランド力も大手に比べて少ないため、広告宣伝費が少なく告知力はやや弱いでしょう。
また、従業員も少ないため、繁忙期などに相談すると、対応が遅くなってしまう可能性がある点には注意しなければなりません。
マンションを売却する際におすすめな業者の選び方
不動産一括査定サイトを利用して選ぶ
インターネット上では、複数の不動産会社に不動産の査定を依頼することができるサービスが展開されています。
このサービスを利用することにより、相見積もりを行っているのと同様の効果が生まれ、不動産業者間で価格競争やサービス競争が起こり、相場から極端に乖離した査定結果が出にくくなるでしょう。
また、不動産業者は契約による仲介手数料が収入源のため、契約を取れるよう売却価格が高くなる傾向もあると言われています。
一括査定サービスを利用することにより、仲介手数料の値下げを受けられる業者もありますので、マンション売却を行う際には、まず一括査定サービスを利用すると良いでしょう。
一括査定サイトでは、比較のために3社以上、地方のマンションの場合はそれよりさらに多くの業者に査定依頼を行うことで、より精度の高い情報を得ることができます。
マンション仲介を得意としている業者を選ぶ
不動産会社によってマンションや一戸建てなど、得意としている分野があります。
そのため、マンションを売却する場合は、できるだけマンションの売買を得意としている不動産会社を選ぶと良いでしょう。
マンションの売買を得意としている業者なら、購入希望者からマンション探しの問い合わせが中心となるため、早い段階で買い手が見つかる可能性が高いと考えられます。
仲介業者の評判や口コミから選ぶ
インターネット上では、仲介業者の評判や口コミを投稿できるサイトがあります。
こういったサイトで自己の物件に近い条件の物件を売却した人を探し、口コミなどを参考にしてみると良いでしょう。
また、業者のサイトには今まで利用した顧客の感想などが掲載されていることもありますので、こちらも参考にして仲介業者の評判を確かめるのもおすすめです。
ただ、口コミはあくまで利用者の主観が元となっているものですので、全ての口コミを鵜呑みにするのは避けた方が良いでしょう。
マンション売却に関するある程度の知識を調べておけば、評判や口コミなどの内容が正しいかどうか見極めることができ、より正確な情報を得ることができます。
仲介業者の対応を比較して選ぶ
仲介業者選びでは、売却価格が高い業者を選ぶことよりも、信頼できる業者を選ぶことも重要です。
市場で反応のない高すぎる価格で売却活動を開始しても、販売期間が延びるだけで売主メリットがありません。
売主の話を良く聞き、希望に添った対応を行ってくれる担当者がいる、査定結果について納得できる根拠を提示してくれる、販売戦略について説得力があることなどを重視しましょう。
また、査定については、過去のデータや物件情報などから簡易的に査定を行う「机上査定」と、実際に現場を訪問して査定を行う「訪問査定」とがあります。
机上査定の場合は電話やメールで担当者とのやりとりとなりますが、訪問査定なら実際に担当者と顔を合わせることができるため、より詳しく対応について知ることができるでしょう。
訪問査定の際には担当者の名刺に「宅地建物取引主任者」の記載があるかどうかについても確認しておいてください。
宅地建物取引主任者とは、不動産業に必要な国家資格で、不動産業者では一定数の資格取得者を雇用する義務があります。
つまり、宅地建物取引主任者とは、不動産売買においての十分な知識があるという証明となり、より正しい査定結果が得られる可能性が高いと考えられます。
公的な情報を利用して仲介業者を選ぶ
不動産に関係する業種では、さまざまな情報が公的機関から公開されています。
まず、不動産業では「宅地建物取引業免許」というものの交付を受ける必要があり、サイトや広告にはこの免許番号が記載されていますので、業者選びの際にはまずこの数字を確認しておくと良いでしょう。
宅地建物取引業の免許番号には、「(1)」のようにカッコで囲まれた数字がありますが、これは免許を何度更新したかを表しており、数字が大きければ大きいほど営業年数が長いということになります。
また、宅地建物取引業免許については、国土交通大臣によるものと、都道府県知事によるものとがあり、店舗が複数の都道府県の場合は国土交通大臣、1つの都道府県にのみ店舗がある場合は都道府県知事によって交付される仕組みです。
つまり、免許の交付元については、営業規模以外の違いはないと考えて構いません。
その他にも、国土交通省のサイトには「ネガティブ情報等検索システム」というものが公開されており、不動産業者が今までどのような行政処分を受けたかを検索することができます。
この情報については、直近数年で行政処分を受けた場合は警戒が必要ですが、行政処分の数が少なく、処分後に長期間追加処分を受けていない場合はそれほど心配する必要はないでしょう。
これは、行政処分後に問題点を改善し、対応を健全化していることが予想されるためです。
マンションの売却方法の違いとおすすめの選び方
仲介による売却の特徴
「仲介」とは、不動産会社と契約し、買主を探してもらう一般的な不動産売買で主に用いられている方法です。
売買後に仲介手数料を支払う必要がありますが、原則として売主と買主の間で売買契約を結ぶ仕組みのため、余計な経費がかからず、物件を市場価格に近い価格で売却することができます。
しかし、仲介では買主が見つかるまで物件を売却することができないため、買取の場合と比べて契約が成立するまで比較的時間がかかります。
そのため、仲介による不動産の売却は、ある程度売却期間に余裕を持っておいた方が良いでしょう。
買取による売却の特徴
「買取」とは、不動産会社や不動産買取業者と売買契約をし、物件を直接売却する方法です。
仲介と違い、買主を探す必要がないため、仲介手数料がかからず、早期に物件を売却することができます。
しかし、買取を行う業者には購入した物件が売れるまで税金等の経費がかかり、場合によってはリフォーム工事や修繕工事を行う必要が出てくるため、これらの費用を見越して買取価格はやや安価に設定される傾向があります。
そのため、物件の状況にもよりますが、概ね市場価格の約3割減が買取の売却価格の相場です。
また、買取では、買取価格の違いはありますが、事故物件や痛みの激しい物件に付いても売却することができますので、仲介での売却が難しい物件は買取を選ぶと良いでしょう。
マンションの売却期間をある程度取れる場合については、最初に仲介で販売活動を開始し、売却期限が来たら買取に切り替えるという手法もあります。
この手法なら、仲介中に買主が見つかればある程度の価格で売却することができますし、もし買主が見つからなかったとしても、期限内に売却を済ませることができます。
買取業者を選ぶときのポイント
買取で出来るだけ高く買い取ってもらうために、買取業者の選定は慎重に行いましょう。ここでは、業者をチェックするポイントをまとめました。
買取業者の種類で選ぶ
買取業者には、大きく分けて2つの種類の業者があります。
|
マンションデベロッパー |
買取再販業者 |
定義・特徴 |
用地を再開発して、新しいマンションを建てる |
部屋を買い取り、リノベーション工事をして中古マンションとして販売 |
買取単位 |
マンション全体 |
マンション1室 |
マンションを売却するときには、買取再販業者に依頼します。デベロッパーは、「マンション」と名前がついていても、あくまでも「用地と建物全体」を買い取る業者ですから1室単位での売却依頼はできません。
買取査定は3~4社に依頼する
買取を依頼するときには、3社~4社に依頼しましょう。複数の業者に依頼することで、買取価格の比較ができます。
依頼するときには、複数社に依頼していることを、それぞれの業者に伝えることも大切なポイントです。「他にも価格を提示している業者がいる」と知らせることで、価格が適正になりやすいからです。
実績や評判を確かめる
買取業者を選ぶときには、実際に訪問査定を依頼して、価格の根拠や、買取保証などその他サービスがあるかなど確認しましょう。
価格に不明点があるときは、個別に問合せをして説明を求めましょう。きちんとした説明がない、回答があいまい、などの業者は残念ながら信用できませんので、候補からは外してください。
買取業者の行政処分歴についても確認しておきます。宅建業法に違反して、免許の停止や取り消しになったことがないか。高額な取引を行う相手ですから、信用性を確認する意味でも、行政処分履歴を調べておきましょう。
行政処分履歴は、国土交通省のホームページから調べることができます。ネガティブ情報検索システムに業者名や所在地を入力することで、行政処分を受けた不動産業者を確認することが可能です。
ローンが残っているマンション売却を依頼する業者の選び方
ローンが残っているマンションの売却を依頼する業者を選ぶときには、まずは不動産会社に訪問査定を依頼しましょう。
価格査定は、まず訪問前に物件の立地、築年数、平米数など入手できる情報を使っての「机上査定」で目安となる価格の提示があります。その後、「訪問査定」を依頼して、実際の物件に足を運んでもらい、その時の対応力や最終的な売却価格の見積もりなどを考慮して信頼できる不動産会社を選定しましょう。
任意売却するときの業者の選び方
先程「任意売却について」でもご紹介しましたが、任意売却するときの業者の選び方は「任意売却専門」の業者に依頼することが成功の近道になります。
一般的な不動産会社の場合、法的な知識や任意売却についての知識を持ち合わせていないこともあるため、任意売却自体を取り扱っていなかったり、金融機関ともうまく交渉ができずに任意売却ができないことがあります。
そのため、任意売却の際は必ず専門知識の豊富な任意売却専門業者を選ぶといいでしょう。
マンション売却を有利に進めるには何が重要か
マンション売却は不動産の資産を現金化できるため、急に大きな金額が必要になった場合や転勤などでマンションを売却したい場合に有効な手段になります。
しかし、マンション売却の流れや売却相場、不動産会社の選び方などを知らずに売却を行うと、市場より低い価格でマンションを売却することになったり、悪徳な不動産会社に手数料を不当に請求されてしまう恐れもあります。
またマンション売却の売買時には大きな金額が動くため、売却するための準備はしっかり行うことがマンション売却成功の近道になるでしょう。
では、マンション売却を有利に進めるにはどのようなことが重要なのでしょうか。
マンションの売却など不動産の取引を行うときに、下記の4つをを知っておくことで売却を有利に運べる可能性が高くなります。
- 「マンションの売却方法」
- 「マンション売却時の価格相場の調べ方」
- 「媒介する不動産業者の特徴や選び方」
- 「媒介契約形態の選び方」
今回は上記の「マンションの売却方法」「マンション売却時の価格相場の調べ方」「媒介する不動産業者の特徴や選び方」「媒介契約形態の選び方」の4つについて詳しくご紹介します。
マンション売却前に知っておきたい売却方法とは?
マンションなどの不動産の売却方法には仲介業者による「売却」の他に「買取」と「買取保証」があります。それぞれどのような特徴があるのか見ていきましょう。
仲介業者による「売却」
仲介業者による「売却」は不動産会社に仲介を依頼し、不動産会社によって販売活動が行われます。
販売活動方法は主に不動産流通ネットワーク(レインズ)や広告、インターネットサイトなどへの掲載などがあります。
仲介業者による「売却」の場合、売買契約が成立した際に「仲介手数料」が発生し支払う必要があります。
「買取」
「買取」とは不動産会社が直接マンションなどの不動産を買い取ることをいいます。
購入者を探す手間が省け、早く不動産を売却できます。「買取」の場合、不動産会社との直接売買のため仲介手数料は発生しません。
購入者を探さないことで仲介業者による「売却」より比較的簡単に不動産を売買できますが、不動産の買取価格が仲介業者による「売却」より低くなる傾向があります。
「買取保証」
「買取保証」とは、ある一定期間で売却できなかった不動産は仲介した不動産会社が買い取るシステムのことです。
先に購入する物件が決まって売却代金が必要な場合に有効になりまります。
しかし、こちらも「買取」と同じく仲介業者による「売却」より買取価格が低くなる傾向にあります。
買取価格は、査定価格の8割前後が相場です。
マンション売却を有利に進める相場の調べ方
まず、マンションを売却するためには、適正な売却価格をつけることが重要です。
高く売りたいからと言って売却価格を市場より高めに設定したとしても、いざ売却したときにすぐに売れる可能性は低いでしょう。
一般的に早く不動産を売却したい場合は、市場の相場を知ることが適正価格をつける目安になるため、できるだけ同じ条件のマンションを探し相場を調べることが大切です。
不動産業者によってマンション売却が有利になるかが決まる
マンション売却が成功するかどうかは、選ぶ不動産会社によって決まることがあります。
不動産会社次第でマンションの売却が有利にも不利にも働くため、不動産会社は慎重に選ぶ必要があるでしょう。
また不動産業者にも種類や得意分野があるため、それぞれの特徴を知ったうえで仲介依頼する必要があります。
では、具体的にどのような不動産業者があるのか種類とその特徴を見ていきましょう。
媒介業者
媒介業者とは、マンションなどの不動産取引の際に必要な宅地建物取引業者の立場のひとつで、マンションなどの売買物件の媒介や中古物件の買取・再販を行う不動産業者のことです。
売主が媒介業者に依頼し、不動産などの売買契約や販売活動などを行い、売主と買主の仲介役を担います。
その他には、競売物件の買取・再販、投資用物件の媒介や事業用物件の媒介なども行います。
買取再販業者
買取再販業者とは、その名の通りマンションなどの不動産を買い取り再販する不動産業者のことです。
マンションなどの不動産の転売を積極的に行います。
買取再販業者にマンションを売却することで、時間をかけずに現金化が可能です。
その他には競売物件の買取再販なども行っています。
買取リノベーション再販業者
買取リノベーション再販業者は、上記の「買取再販業者」とほとんど同じなのですが、買い取ったマンションにリノベーションをしてから販売する不動産業者のことです。
古いマンションもリノベーションをすると築浅マンションのように見違えるため、付加価値がある部屋にすることが可能です。
任意売買専門業者
任意売買とは、住宅ローンが支払えず滞納した場合該当不動産を売却し抵当権を抹消することで、任意売買専門業者はこの「任意売買」を専門とした不動産業者のことです。
任意売却に関する法律などの専門知識があり、債権者との交渉能力が高いのが特徴です。
一般的な不動産業者と違い、金融機関などの債務者と協議できたり破産管財人と任意売却について話し合うことができます。
分譲業者
分譲業者とはマンションのデベロッパーや建売業者、開発業者のことです。
分譲業者は、マンションの事業主や売主という立場にあり、取得用地の価値を高めるために開発を行い、マンション購入者に販売します。
マンションの分譲業者では、大京・東京建物・東急不動産・住友不動産・三井不動産レジデンシャル・野村不動産・三菱地所レジデンスの7社が有名です。
マンションの売買目的に応じた不動産業者の選定が必要
上記で不動産会社の種類と特徴をご紹介しましたが、それぞれ特徴があり得意としている専門分野としていることがありました。
マンション売買を有利に進めるためには、売買の目的に応じた不動産会社の選定が必要になります。
考慮したい不動産業者の選び方は以下の通りです。
媒介業者
売却期間に制限がなくできる限り相場価格以上の売却が希望な場合
買取再販業者、買取リノベーション再販業者
売却価格より早期にマンションを売却したい場合
任意売買専門業者
住宅ローンの支払いが困難なため、競売ではなく任意売却したい場合
分譲業者
販売元が分譲業者で買取してもらいたい場合
上記のことや売却期間、住み替えはどうするかなどを考慮した上で不動産会社を選んでいくと良いでしょう。
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マンション売却における媒介契約について
マンションを少しでも高値で売却するためには、不動産に関する知識と売却のタイミングが重要です。
マンションの売却は、不動産売買の技術・知識を持った不動産会社と媒介契約を結んで行います。不動産会社の知識と技術・サービスを活用して、売却を有利にすすめましょう。
媒介契約をすることで、売り主は成約時に不動産会社に仲介手数料を支払います。
マンション売却における媒介契約とは?
不動産会社との媒介契約は、マンションの買い手を探す契約だけでなく、マンションを売却する売り手と買い手の間に入り、取引の調整・書類の作成などの売買取引に関する手続きや仲介手数料についても、契約書を交わします。
媒介契約を交わした不動産業者には、宅地建物取引業法により、依頼者に不利にならない不動産売買契約を締結されることが、義務付けられています。
また、媒介契約を交わすことで、不動産売買のトラブルを未然に防ぐことができて、安心してマンションの売却をすすめられます。
媒介契約には専属専任媒介契約・専任媒介契約・一般媒介契約があります。
専属専任媒介契約の特徴
専属専任媒介契約は、マンション売却の媒介(仲介)を依頼する不動産会社は1社のみとなる契約で、契約期間は3ケ月です。
売却する人が自分で買い手を見つけてきた場合でも、不動産会社を媒介(仲介)しての取引を行わなければならない契約です。
専属専任媒介契約のポイント
マンションの売却に際して、不動産会社と専属専任媒介契約を締結した場合、不動産会社はマンションの売却の活動報告を1週間に1度以上、行います。
また、不動産会社のレインズ(REINS)への登録は、媒介契約から5日以内に行わなければなりません。
レインズ(REINS)は、不動産流通機構(国土交通大臣指定)が運営している、不動産売り出し価格を検索できるコンピューター・ネットワーク・システムです。
レインズに登録されることで、不動産会社間での情報交換がリアルタイムに行われることになり、売却が早く進みます。売却したい物件の情報を登録することで、売却を円滑に迅速に進めることができます。
レインズへの登録は、媒介契約の種類によって義務や期間が異なります。
専属専任媒介契約を選ぶポイントと注意点
専属専任媒介契約を選ぶ事例の一つは、自分で買い主を見つけられないケースで、自分で買い手をみつけられなければ、専属専任媒介契約を結ぶのが良いでしょう。
もう一つのポイントは、不動産会社1社のみとの契約となるため、不動産会社にとって、仲介手数料を必ず確保できる契約となり、積極的に買い手を探す営業活動が期待できます。
しかし、専属専任媒介契約の際に、注意したい点もあります。
一つは、不動産会社に不満があっても、契約期間の3ヵ月間は1社にしか媒介(仲介)を頼むことができません。
もう一つは、マンションの売却額が下がったり、売却までの期間が長引くことになる懸念があることです。
専属専任媒介契約をした不動産会社が、売り手・買い手の両方から確実に仲介手数料をもらうために、他の不動産会社から問合せがあっても物件を紹介しないことも考えられます。
専任契約の特徴
専任媒介契約は、専属専任媒介契約と同じで、マンション売却の媒介(仲介)を依頼する不動産会社が1社のみとなる契約で、契約期間は3ケ月です。
専任媒介契約の特徴
専属専任契約との大きな違いは、売却する人が自分で買い手を見つけてきた場合に、不動産会社の媒介(仲介)なしで売買が可能なことです。
マンションの売却で、不動産会社と専任媒介契約を締結した場合、不動産会社はマンションの売却の活動報告を2週間に1度以上、行います。
専属専任媒介契約と比較すると、少なくなります。
また、不動産会社のレインズへの登録は媒介契約後7日以内で、専属専任契約と比較すると、登録をすませる期間が長く設定されています。
専任媒介契約を選ぶポイントと注意点
専任媒介契約を選ぶポイントは、自分で買い主を見つけられる可能性があるケースです。
自分でマンションの買い手を見つけた場合、不動産会社を通さずに売買契約を締結することが可能だからです。
専任媒介契約の場合は、専属専任媒介契約と同じで、契約期間の3ケ月間は1社の不動産会社のみしか媒介(仲介)を頼むことができませんので、注意しましょう。
一般媒介契約の特徴
一般媒介契約は、複数の不動産会社にマンション売却を依頼することができる契約です。
契約期間の規定はありませんが、行政の指導により、一般的には3ケ月となっています。
売却する人が、自分で買い手を見つけてきた場合、不動産会社の媒介(仲介)なしに売買契約を締結することが可能な契約です。
一般媒介契約の特徴
一般媒介契約は、専属専任媒介契約や専任契約と、2つの点が大きく違います。
一つは、レインズへの登録義務が任意となることです。
任意なので、登録をしなければ、多くの不動産会社の目に触れる機会が減ることになります。
もう一つは、契約をした不動産会社は、売り主に対して、販売情報報告の規定がありません。
不動産会社にとっては拘束力の低い契約形態で、営業活動が積極的に行われない可能性があります。
一般媒介契約には「明示型」と「非明示型」があり、明示型は、複数の会社と媒介契約を締結した場合に、どの会社と媒介契約をしているかを通知しなくてはならない契約です。
非明示型は、他に媒介契約をしている不動産会社があったとしても、他に媒介契約している会社があるかどうか、どこの会社と契約しているかなどを、通知しなくても良い契約です。
明示型・非明示型のどちらを選択しても、売却をした場合、どこの不動産会社で契約したかを通知する義務があります。
一般媒介契約を選ぶポイントと注意点
不動産会社にとって一般媒介契約は、専属専任媒介・専任媒介契約と比較すると、複数の不動産会社に売却活動依頼した場合、必ず自分の所で売買契約を結ぶわけではないので、営業活動も積極的にはならないと言われています。
そのため、買い手が見つかるまでに時間がかかる可能性があります。
しかし、売却するマンションが条件の良い物件である場合、多数の不動産会社が競い合い、売却が早くなる可能性もあります。
一般媒介の注意点は、売却の需要が少ないマンションは、積極的に売却活動を行ってもらえない可能性があることです。
マンションの市場価値を見極め、好物件と判断したら、選択すると良い媒介方法です。
不動産会社との媒介契約はどれを選べばいいのか?
初めての不動産売却をする場合は、一般媒介契約を締結して、活動状況などをみて専任媒介契約などに切り替える方法がおすすめです。
専属専任契約・専任契約のメリットが大きい
専属専任契約と専任契約は、一社のみの媒介契約なので、マンションの売却が成立すれば、不動産会社に確実に仲介手数料が入ります。
不動産会社にとっては、一生懸命営業活動しても、他社と売買契約が成立してしまうかもしれない一般媒介よりも、メリットがあります。
また、マンションを売却する売り手にもメリットがあります。
不動産会社は、媒介契約は「専属専任契約」か「専任契約」で締結したいと思っているため、専属専任契約や専任契約をすることで、マンションの補修費用やクリーニングサービスなどの特典を付けてくれるケースもあります。
一般媒介で複数の不動産会社と媒介契約した場合、内覧日程の調整、価格改定、募集状況確認など複数の担当者と連絡を取らなくてはなりません。
同時期に連絡がありますので、専属専任契約と専任契約の1社の不動産会社が窓口になる場合と比較すると、煩雑で連絡の負担が大きくなります。
また、全体のお問合せ状況などが把握しずらく、結果として価格改定のタイミングなど見誤る場合があるため、複数の不動産会社と一般媒介契約を締結することは避けた方がいいです。
マンションの買取保証
マンションを売却する方法には、媒介(仲介)以外に買取という方法もあります。
これは、不動産会社がマンションを直接購入する方法で、一定期間媒介で売れなかった場合、買取会社に売却します。
買取保証は、短期間に売却でき、仲介手数料がかからず、買い手の内覧がないというメリットがありますが、価格が下がりやすいというデメリットがあります。
マンションの売却価格と売却スピードの関係
マンションを売却する際に、買い手が現れなければ、売却価格が下がってしまいます。
しかし、あまり早期に売却しても、良い買い手を逃すことになります。
募集価格からの値引きが要因として成約に至るケースも多いため、売却事情にもよりますが、当初売り出し価格はその後の価格改定も見据えた金額設定での募集開始が望ましいといえます。
マンションの売却に適した季節はいつ?
マンションなどの不動産物件を売却する際には、どの季節を選ぶと良いのでしょうか?
マンションの需要が高まる季節とは?
賃貸物件の人気が転勤や進学などのシーズンに高まるのと同じように、マンションの購入需要も季節によって変化していきます。
つまり、この時期に合わせてマンションを売りに出せば、より物件は売れやすくなるということです。
一般的に、転勤は4月と10月、進学については4月に集中しています。
マンションを購入する場合も、進学や転勤などに合わせて新生活をスタートさせたいと考える方が多いため、マンション需要もこの時期に高まるのです。
ただし、4月からの新生活に合わせて引っ越しを行うことを考えると、引っ越し時期は3月頃となりますし、物件の内覧や契約はもっと早い時期が想定されます。
通常、内覧から契約までにかかる時間は約3カ月が目安とされていますので、12月頃には物件が売りに出ていないと、需要に対応することができません。
また、不動産会社で物件を選ぶ前に、どのような物件が良いかインターネットなどを用いて探す場合には、12月より早い段階、10月頃から調査を開始するという方も多いようです。
マンションの売却に適している季節はいつ?
マンションの購入を考えている方は、早ければ10月頃からリサーチを開始します。
そのため、マンションの売却を行うなら、10月以前に手続きを完了させ、10月には売りに出ている状態にしておくことが重要です。
また、進学や転勤による引っ越し需要以外にも、住み替えを目的としてマンションを購入される方の場合、新年を新居で迎えたいという需要もあります。
この場合も、10月頃には問い合わせや内覧などを行うことが多いため、やはり10月、早ければ9月頃には物件が売りに出ている状態にしておくことが望ましいといえるでしょう。
同様に、10月は転勤が多いため、9月中に急いで物件を探すという方も多いようです。
その他にも、3月は企業の決算時期が集中するため、金融機関同士で住宅ローン契約の競争が起こり、有利な条件で契約できる可能性が高まると言われています。
実際、3月はローン競争や引っ越し需要などからマンションの成約件数が年間で最も多くなるため、この時期に合うように物件を売り出せば、より好条件で売却することができるでしょう。
3月や10月などの需要が多い時期は物件を売りたいライバルも多く、一見するとなかなか物件が売れないように感じてしまうかもしれません。
しかし、この時期は購入希望者も多く、ローン契約が有利になる傾向があるため、ライバルが多くても物件が売れる可能性が高いのです。
マンションの売却を避けた方が良い季節とは?
逆に、マンションの売却を避けた方が良い時期はいつになるのでしょうか?
一般的に、マンションの売れ行きは4月から下がりはじめ、8月になると最も少なくなると言われています。
特に8月は気温が高く、物件までの移動に体力を消耗しますし、物件でエアコンが使えない状態となっていることも多いため、夏場の内覧を避ける方が多いことが理由です。
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売れないマンションを売却するための販売方法の見直しとは
媒介契約を締結する不動産会社の変更
不動産会社の販売活動やアドバイスは、マンションの売却にも、大きな力になります。
ここに力を入れてもらえない場合は、不動産会社を変更することも考えます。
媒介契約には「一般」「専任」「専属専任」の3種類があります。
「一般媒介契約」は、複数業者と媒介契約を結ぶことができます。
契約期間は定められていません。
複数の業者と契約ができ、情報も広がりますが、販売活動などの報告の義務もなく、どれだけ販売活動をしてもらえるかわかりません。
「専任媒介契約」は、1社だけと契約します。
あなたの会社だけにお願いしますので、しっかり売ってくださいという意味になります。
販売活動の報告の義務もあり、不動産会社の情報ネットワーク「レインズ」に情報を登録する義務もあります。
契約期間は3カ月以内で、依頼者側からしか更新ができません。
最後に「専属専売媒介契約」ですが、ほぼ「専任」と条件は似ているのですが、こちらは売り主が自分で買主を探すこともしない場合に契約します。
1社だけが販売するイメージに近くなりますので、報告も密になり、「レインズ」の登録までの期間も短くなります。
現在の不動産会社との契約がどの種類なのかにより、3ヵ月を区切りに、ほかの業者に変更したり、媒介契約の種類を変更したりすることを検討します。
売却を一度中止する
近隣で似たような物件が出ていたり、新築マンションが分譲されたりすると、競合する物件が増え、価格が下がって売りにくい状況になることがあります。
一度、相場に合わせて価格を下げると、もう元に戻すことはできなくなります。
急いで売却する必要がない場合は、売却を中止して、タイミングを計って再度、売却することも考えられます。
不動産媒介契約を打ち切りたいとき
不動産の仲介を依頼していても、なかなか物件が売れない場合などには契約を打ち切って別の仲介業者を探した方が良い場合もあります。
また、仲介業者は定期的に売主に販売活動や問い合わせの有無、案内実績などについて報告する義務がありますので、この報告がおざなりな場合や、問い合わせや案内が少ない場合も打ち切りを考えた方が良いでしょう。
その他にも、広告をどのように行っているかについて確認しておくのも重要です。
売りに出して1~2カ月後にどのような広告を出しているか実際に見せてもらい、積極的に売り込んでいるかどうか判断し、もし広告件数が少ないようなら他の仲介業者への変更を検討することをおすすめします。
不動産売却に対応する優良な不動産会社を見つけるには?
ここまで説明してきた不動産売却は、あくまで一例となっています。
正確な売却金額を知るためには、売却前に「売却査定」を受ける必要があります。
そのとき大事なのが、複数社に査定依頼して必ず「比較検討」をするということ!
「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」
「複数社に何回も同じ説明をするのが面倒くさい...。」
そんな方は、簡単に無料で一括査定が可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。
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一生のうちに不動産売却をする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しない売却をするためにも、不動産会社選びは慎重に行いましょう!