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2024年08月08日更新
不動産売却の入札方式とは?通常の方法(相対方式)より有利?
近年、個人の不動産売却を「入札方式」で行うケースが増えています。ここでは一般的な売却方法と入札方式の違い、入札方式のメリット・デメリットを解説していきます。
目次
不動産売却の入札方式とは?
不動産を売却する際は、不動産会社に仲介を依頼し、名乗り出た一人の買主との双方の合意で契約条件が決まる「相対(あいたい)方式」が、個人の不動産取引の大半を占めています。
一方で、近年注目されているのが、個人の不動産売却を「入札方式」で行うものです。入札方式とは、一つの物件に対して複数の買主候補が買取を申し出るもので、最も高値をつけた人に売却される方式です。
これまで入札方式は、裁判所による競売や、国や地方自治体が差し押さえた物件を売却する公売などで活用されてきました。民間でも、大企業が敷地を売却する際にも、入札方式によって売却をすることは、よくあります。
しかし、個人のレベルでは、一部の人が収益物件への投資目的や、事業目的への活用する場合に限定されていました。ところが近年、個人の不動産売却においても、入札方式を利用するケースが増えているのです。
入札方式による不動産売却の流れ
それでは入札方式においては、どのよう流れで売却まで至るのでしょうか。概ね、以下のような流れで進んでいきます。
- 売主が仲介代理人を決める
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ
- 不動産会社と売り出し価格を決定する
- 不動産会社が入札参加者を募集する
- 入札を実施する
- 最高価格をつけた落札者と売買契約を結ぶ
- 物件の引き渡し
一般的な売却方法と入札方式の違い
相対方式と呼ばれる一般的な売却方法と、入札方式ではどのような違いがあるのでしょうか。
価格設定の方法
価格設定においては、あくまで希望価格である点から、相対方式も入札方式も、大きな差はありません。しかし、買主の心理の読み方によって、多少の差が出てきます。
相対方式の場合、売りに出された価格で買い取れる人が、買主候補として名乗り出ます。したがって、あまりに高値をつけると、買主希望が表れなかったということがあり得ます。
一方で、売主希望価格を上回る金額で契約することは、かなりの人気物件や募集価格が安すぎて買い手が殺到するなど、きわめて稀なケースです。つまり、売主希望価格が最高売却額になるのですから、後悔のないように、価格設定は十分に精査する必要があります。
入札方式の場合は、売主希望価格として提示します。それより高値で落札してくれることがある一方で、売主希望価格前後に集中することもあります。
あまり低い価格を希望価格として設定すると、その価格帯に入札額が集中してしまい、思惑どおりにいかなかったということが起こりえますから、やはり価格設定には慎重さが求められます。。
買主の決め方
相対方式では、早く名乗り出た人から交渉が始まります。売り出し価格で合意できれば契約に至ります。買主候補が値引きを希望すれば、交渉になりますが、金額が折り合わない場合は、次の買主候補を待つことになります。
入札方式では「競り上がり方式」と「ポスティング方式」があります。競り上がり方式はインターネットのオークションとほぼ同じやり方ですが、あまり一般的ではないので、ここではポスティング方式を説明します。
売主希望価格を参考価格として、入札参加者が一回限りの入札を行います。その中から入札希望価格を超えて最高価格をつけた人が落札者となって、契約に至ります。
もし全員が売主希望価格を下回った場合は、その中の最高入札価格で売却に応じるかは、売主の任意の判断になります。
入札方式による不動産売却のメリット・デメリット
入札方式による不動産売却には、どのようなメリットがあるでしょうか。反対にデメリットはないのでしょうか。
入札方式のメリット
相対方式が、自分が設定した希望価格以上の価格で売買が成立することがないのに比べて、入札方式は、希望価格以上の価格で落札される可能性があるのが、大きなメリットです。
しかも、複数の人々によって決まった最高価格ですから、価格設定がについて、契約後に後悔することもありません。
また、多くの入札方式では、不動産会社を対象に行っていることが多く、ローン特約によって、住宅ローンが認められなかったからとの理由で、一方的にキャンセルされることもありません。確実に契約まで至るのも、メリットといえるでしょう。
入札方式のデメリット
入札を開始すれば、必ず入札希望者が現れるわけではありません。期限までに、買い手が誰も現れないといったことや、買い手が単数しか現れないこともあります。
そのため、早い時期に現金を入手したいという人には不向きの方式といえます。反対に時間はいくら使ってもいいという立場の人に向いているといえます。
また、入札が成立した場合でも、想定外の安値になってしまったということもあります。このような事態が予測される物件は、入札方式よりも相対方式を選択した方が、高値で売却できる可能性があります。
入札方式はどのような場合に適しているのか?
入札方式は、どんな不動産物件にも適しているものではありません。より意義のある入札を成立させるためには、多くの入札希望者が集まる物件であることが求められます。
そのため、一般的な住宅用の土地・戸建て、マンションには不向きだと言わざるを得ません。それでは、どんな物件であれば、入札方式に適しているのでしょうか。
ひとつは投資者を対象にした収益物件です。マンションのオーナーになることによって収益を生み出すもの、あるいは好立地に建つ商業施設などであれば、入札者も多く集まるでしょう。
一般的な不動産であれば、建物のない更地状態で汎用性の高いものであれば、入札方式に適しているといえます。
入札方式のある不動産会社へ相談しよう
それでは、入札方式によって不動産を売却したい場合は、どうすれば良いのでしょうか。入札方式は、仲介方式にはない独自のノウハウがあります。このため、仲介を専門にしている不動産会社に相談するのはリスクがあります。
入札方式にしようとお考えの方は、ぜひ入札方式を扱っている不動産会社を選択してください。入札方式は不動産会社によって、いろいろと条件が異なりますから、複数の不動産会社にご相談のうえ、決定することをおすすめします。
そして最後に、その不動産会社が正規の宅地建物取引会社かであるかの確認も重要です。中には正規の届出を行っていない会社もあります。
正規の登録をされている会社は、国土交通省の検索システムで確認できますから、契約を交わす前に必ずご確認ください。
不動産売却に対応する優良な不動産会社を見つけるには?
ここまで説明してきた不動産売却は、あくまで一例となっています。
正確な売却金額を知るためには、売却前に「売却査定」を受ける必要があります。
そのとき大事なのが、複数社に査定依頼して必ず「比較検討」をするということ!
「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」
「複数社に何回も同じ説明をするのが面倒くさい...。」
そんな方は、簡単に無料で一括査定が可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。
一生のうちに不動産売却をする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しない売却をするためにも、不動産会社選びは慎重に行いましょう!
この記事の監修者プロフィール
株式会社worth style home
濵田昭平2005年より東京急行電鉄株式会社財務戦略室主計部にて都市開発における多様な事業セグメントの業務を経験。2012年1月より都心部で高級マンション賃貸仲介業を展開する株式会社ModernStandardへ転職し、賃貸仲介営業職での最短トップ記録樹立。2014年1月より「株式会社worth style home」での総合不動産業をスタート。1,000万円~10億のマンション・土地等の売買仲介業務を行う。
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