2024年10月22日更新

監修記事

一般媒介と専任媒介の違いは?どっちが早く売れる?

一般媒介と専任媒介のどちらが早く売れるということはありません。不動産をスムーズに売却したい場合、住宅に適した媒介契約を結ぶ必要があります。当記事では、それぞれの媒介契約の特徴と媒介契約ごとに適した住宅を解説します。住宅の売却を検討している人は参考にしてください。

不動産における媒介契約とは

不動産における媒介契約とは、仲介を依頼する不動産会社との取り決めを指します。

一般的に不動産の売却は個人では難しく、不動産会社に依頼し買主を探してもらうケースが大半です。

しかし、一口に媒介契約といっても「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類ありそれぞれ特徴が異なります。

どの媒介契約が早く売れるというものではなく、売却したい不動産に適した売り出し方が重要です。

まずはそれぞれの媒介契約の特徴を理解し、どの方法が適しているのかを考えてみましょう。

「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の違い

「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」のメリット・デメリット、そして特徴を確認します。

契約方法契約期間複数社との契約活動報告義務レインズへの登録義務
専属専任媒介3か月以内なし1週間に1回5日以内に登録
専任媒介3か月以内なし2週間に1回7日以内に登録
一般媒介制限なし可能なしなし
レインズとは?

国土交通大臣から指定を受けた、不動産流通機構が運営している不動産情報を一元化したコンピューターネットワークシステムです。すべての不動産会社が閲覧できます。

スムーズに契約するためにも、それぞれの契約方法を理解しておきましょう。

専属専任媒介契約

専属専任媒介契約とは、1つの不動産会社だけに売却の依頼をする契約方法です。

売却活動の報告頻度が高く、積極的な売却活動が見込める一方で、他の不動産会社との契約や自身で買主を見つけるなどの行為は制限されます。

メリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット・不動産会社がやる気を出してくれる
・窓口が一本化でき、手間が少ない
・営業活動の報告頻度が高い
デメリット・不動産会社選びが難しい
・複数の不動産会社に依頼できない
・自分で買主を見つけられない

専属専任媒介契約は、自社で確実に仲介手数料を得られるため積極的に売却活動をおこなってくれる可能性があります。

しかし、その一方で囲い込みのリスクに注意する必要も。

囲い込み(かこいこみ)とは

依頼を受けた不動産会社が他社には紹介せず、自社のみで取引を制約させる行為

専属専任媒介解約は営業担当者の営業力や熱心さが大きく影響するため、不動産会社選びが非常に重要です。

専任媒介契約

専任媒介契約は複数の不動産会社への依頼は制限されていますが、専属専任媒介契約とは異なり自身で買主を探すことが可能です。

親戚や友人の中に購入希望者がいそうな場合、仲介手数料なしで売却ができます。

それでは、専任媒介契約のメリットとデメリットを確認します。

メリット・売主自身で買主を探せる
・窓口が一本化でき手間が少ない
・営業活動の報告頻度が高い
デメリット・不動産会社選びが難しい
・複数の不動産会社に依頼できない

1社のみに依頼する専任媒介解約は、専属専任媒介契約と同様に不動産会社選びが非常に重要です。

一般媒介契約

一般媒介契約は、媒介契約の中で最も制限のない契約方法です。

複数の不動産会社との契約が可能で、原則契約期間の定めもありません。

下記にメリットとデメリットをまとめました。

メリット・複数の不動産会社に依頼できる
・理想の価格で売れる可能性が高い
デメリット・営業活動の報告義務がない
・複数の不動産会社と連絡する手間がある
・不動産会社独自のサービスが受けられない

一般媒介契約では、複数社に依頼できるためより多くの人の目につく可能性があります。

不動産会社選びに失敗するリスクもなく、理想の価格で売れる可能性も。

一方で不動産会社独自のサービスが受けられない、連絡の手間があるなどのデメリットがあげられるでしょう。

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媒介契約における手数料

媒介契約における手数料として、不動産会社に支払う仲介手数料があげられます。

仲介手数料は成功報酬型の手数料であるため、売買契約が締結した場合のみ支払う必要があります。

媒介契約を結ぶ際に発生する着手金や前金はないため安心してください。

支払額は不動産取引価格により異なり、以下の計算式で算出可能です。

仲介手数料の計算式

仲介手数料=(取引価格×3%+6万円)+消費税

具体例をあげると、5,000万円の不動産を売却した際の仲介手数料は(5,000×3%+6)+消費税で171万円です。

仲介手数料は、一般的に売買契約締結時に50%支払い、引き渡し時に残りの50%を支払います。

住宅に応じた媒介契約の選び方

媒介契約に最も良い方法はなく、それぞれの住宅に適した契約を結ぶ必要があります。

この項では、住宅の特徴ごとに適した媒介契約を解説します。

専属専任媒介契約・専任媒介契約に適した住宅に適した住宅

専属専任媒介契約・専任媒介契約に適した住宅は以下のとおりです。

専属専任媒介契約・専任媒介契約に適した住宅
  • 立地の悪い住宅
  • 築年数の経過した住宅
  • 需要の低い間取りの住宅

上記のとおり、一般的に「売れにくい」と感じる住宅は専属専任媒介契約や専任媒介契約が適しています。

双方とも一般媒介契約よりも積極的な営業をおこなうため、売却しやすい傾向にあるようです。

また、複数の不動産会社とやり取りする人や手厚いサポートが必要な人にも、これらの契約方法は適しています。

一般媒介契約に適した住宅

一般媒介契約に適した住宅は以下のとおりです。

一般媒介契約に適した住宅
  • 立地の良い住宅
  • 人気の間取り
  • 築年数の浅い住宅
  • 状態の良い住宅

売却したい住宅が総合的に見て需要が高いと判断できる場合、一般媒介契約が適しています。

なぜなら、需要の高い住宅であれば特別な営業活動は必要がなく、より多くの人の目にふれる方が有利だからです。

複数の不動産会社を競わせることで、値下げなしの希望条件に近い売却が可能なことも。

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媒介契約で売れない原因と対処法

媒介契約を結んだ不動産がなかなか売れない場合、以下の原因が考えられます。

売れない原因
  • 媒介契約が適切でない
  • 不動産会社の営業活動に問題がある
  • 売り出し価格が適切でない

それぞれ具体的に掘り下げて解説しましょう。

原因①媒介契約が適切でない

1つ目の原因は媒介契約が適切でないケースです。

住宅に応じた媒介契約の選び方」でも解説したとおり、住宅によって適した媒介契約が異なります。

適切な媒介契約を選択するためには、売却したい住宅に需要があるか否かを調べる必要があるでしょう。

住宅の需要は不動産ポータルサイトや不動産会社で確認できます。

マンションの場合は過去の売却履歴を確認

売却したい住宅がマンションの場合、過去の売却履歴から相場感や需要を探れます

原因②不動産会社の営業活動に問題がある

専属専任媒介や専任媒介で問い合わせや交渉が少ない場合、不動産会社の営業活動に問題があるかもしれません。

これらの媒介契約は、一般的に契約期間を3か月としているため、3か月間で何の成果もない場合、不動産会社を変更する判断基準となります。

営業活動に問題がなくとも、売却したい住宅があるエリアに詳しくない不動産会社の場合、適切な売却方法がわからない可能性も。

需要の低いエリアにある住宅ほど、地元密着の不動産会社との契約がおすすめです。

原因③売り出し価格が適切でない

不動産会社選びや契約方法が適切であるのに売れない場合、売り出し価格が適切ではない可能性も考えられます。

不動産には相場が存在し、どんなに高く売れても相場比105%程度が限界です。

不動産会社の中には媒介契約を結ぶために相場よりも高い査定額を出すケースがあります。

査定額の高さを鵜呑みにするのではなく、何社か査定依頼し適正価格を理解しましょう。

売れ残り住宅は割安になることも

長期間売れ残った住宅は悪い印象を持たれ、相場より割安になることも。割安での売却を避けるためにも、適正価格で売り出しましょう

「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の利用者の割合

不動産流通促進センターが発表している「指定流通機構の活用状況について(2023年度分)」によると、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の利用者の割合は以下のとおりでした。

件数パーセンテージ
専属専任媒介136,0899.6%
専任媒介469,55633.0%
一般媒介292,97420.6%
その他(売主・代理)524,48136.9%

上記のとおり、媒介契約の利用者割合は専任媒介が33%と最も多く、ついで一般媒介が多い結果でした。

地域別に見ると東京23区や横浜など需要な高い地域ほど一般媒介を選択する傾向にあり、地方になるほど専任媒介を選択する傾向にありました。

これらの結果から、需要による媒介契約選びは非常に重要といえるのではないでしょうか。

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【Q&A】一般媒介と専任媒介に関するよくある質問

一般媒介の依頼は何社が目安ですか?

一般媒介の依頼は2〜3社が目安です。

一般媒介は自由に複数の不動産会社と契約できるのがメリットといえます。

しかし、数多くの不動産会社との契約はやり取りの手間がかかるだけではなく、営業担当者のモチベーションの低下につながることも。

これらの理由から、一般媒介の依頼は2〜3社がベストといえます。

専任媒介から一般媒介に切り替えられますか?

専任媒介から一般媒介の切り替えは可能です。

しかし、専任媒介は一般的に3か月の契約期間が設けられているため、契約期間内に解除すると違約金がかかる可能性もあります。

このため、契約期間満期である3か月を経過した後に一般媒介へ切り替えましょう。

専任媒介は売れないって本当ですか?

専任媒介契約のため不動産が売れにくいという因果関係はありません。

売却したい不動産の特徴によって適した媒介契約があるため、当記事「住宅に応じた媒介契約の選び方」を参考にしてください。

なお、専任媒介を依頼できるのは1社のみであるため、売れない場合は営業担当者の販売活動が十分でない可能性も。

専任媒介で売れない場合には、不動産に適した契約方法であるか、不動産会社選びが適切かを再考してみましょう。

専任媒介は解約できますか?

専任媒介は解約可能です。

しかし、不動産会社によっては契約期間内に解約すると違約金が発生する場合があります。

専任媒介契約を結ぶ際には、かならず契約内容を確認しておきましょう。

不動産売却に対応する優良な不動産会社を見つけるには?

ここまで説明してきた不動産売却は、あくまで一例となっています。

正確な売却金額を知るためには、売却前に「売却査定」を受ける必要があります。

そのとき大事なのが、複数社に査定依頼して必ず「比較検討」をするということ!

「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」

「複数社に何回も同じ説明をするのが面倒くさい...。」

そんな方は、簡単に無料で一括査定が可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。

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一生のうちに不動産売却をする機会はそこまで多いものではありません。

後悔しない、失敗しない売却をするためにも、不動産会社選びは慎重に行いましょう!

この記事の監修者プロフィール

【監修者】株式会社worth style home 濵田昭平

株式会社worth style home

濵田昭平

2005年より東京急行電鉄株式会社財務戦略室主計部にて都市開発における多様な事業セグメントの業務を経験。2012年1月より都心部で高級マンション賃貸仲介業を展開する株式会社ModernStandardへ転職し、賃貸仲介営業職での最短トップ記録樹立。2014年1月より「株式会社worth style home」での総合不動産業をスタート。1,000万円~10億のマンション・土地等の売買仲介業務を行う。

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