2021年05月27日更新
住宅ローンの残債があるなら借り換えローンを利用しよう
家族構成の変化や生活環境の変化から家を買い替える必要がでてきたとき、住宅ローンが残っていたらどうしたらよいのでしょうか。今回は住宅を買い替える際の、住んでいた自宅のローンと新居の住宅ローンに関する注意点やポイントを解説します。
住宅ローンを完済していなくても家は売却できます
住宅の買い替えを検討するとき、住んでいた住宅にローンの残債があっても条件を満たすことで家の売却を行うことができます。
ここでは、住宅ローンの残債がある住宅を売却する場合のポイントについてご紹介します。
抵当権を抹消しないと売却できない
住宅ローンを申し込むと、住宅には抵当権が設定されます。これはローンの支払いができなくなった場合、金融機関が家を担保にするという設定です。
住宅に抵当権が設定されていると、買い替えのために住宅を売却しようとしても売ることができません。
そのためローン残債を完済して抵当権を抹消する必要があります。
抵当権を抹消するためには、自宅の売却額をローンの返済に充てるという方法が一般的です。
しかし、住宅が売れた資金でローンを完済できるか否かで、新居購入のために組む住宅ローンの種類が異なります。
ではそれぞれのパターンごとに詳しく見ていきましょう。
家の売却代金でローンを完済できる場合
住宅を売却した代金で残りの住宅ローンを完済できる場合は、新居購入の住宅ローンは新規で契約することになります。
売却価格がローンの残債に満たなくても貯蓄などの自己資金を使って完済できる場合も、こちらのパターンになります。
住居を買い替える場合に、資金面でも安心でき、もっともスムーズにおこなえる方法です。
新居購入までの手順は、
- 住宅の査定を依頼し、売却額を把握する
- 不動産業者と売買契約し、住宅を売却する
- 住宅ローンを完済する(抵当権を抹消する)
- 今までのローン支払い月額を参考に、新居の予算を決める
- 新居を探す
- 新居購入に対して、新しく住宅ローンを契約する
という流れが一般的です。
査定を依頼している段階で新居の購入はせず、査定額が出るのを待って売却金額で住宅ローンが完済できることを確認してから売却を行うと良いでしょう。
また、査定を依頼する前から新居を探しておくという手順もありますが、その場合は、必ず現在の住宅を売却することでローンが完済できるということを確認しておく必要があります。
そして、売却が遅れると新旧どちらのローンも支払わなくてはならなくなるため(二重ローン)、新居購入と現在の住居売却の決定が同時になるように調整するとスムーズです。
家の売却代金だけではローンを完済できない場合
住宅ローンの支払いを始めた頃は利息分の支払いの割合が多いため、住宅を買い替えるために現在の家を売却しても、ローンの残債に満たないことが多いのが現実です。
ローンの残りの額を支払える貯蓄や自己資金がなく、住宅ローンの完済ができない場合は、抵当権の抹消ができないため住宅を売却できません。
そういった場合に利用できるのが「買い替えローン」です。買い替えローンに借り換えることで、住宅ローンの残債を新居のローンに上乗せして融資してもらうことができます。
たとえば、現在の住宅ローンの残債が500万円あり、新居が2,500万円のとき、3,000万円の買い替えローン組むことになります。
買い替えローンを利用する場合の手順は以下の通りです。
- 買い替えに必要な情報を集め、流れを把握する
- 現在住んでいる住宅の査定を依頼し、売却価格を把握する
- 金融機関に買い替えローンの相談をし、新居の予算を計画する
- 不動産業者と媒介契約を結び、不動産販売をスタートする
- 新居を探す
- 住んでいた不動産の売買契約を結ぶ
- 新居を購入し、買い替えローンの契約を結ぶ
「買い替えローン」で新居を購入できます
ここからは、新しい住宅を購入する際に、今までのローンから買い替えローンに借り換えるメリットとデメリット、注意点についてご説明します。
買い替えローンの審査基準
買い替えローンは、住んでいた住宅のローンが残った状態で、新居を購入するために申し込むローンです。
ローン残債の金額に新居の購入費用がプラスされることになるので、新居の価値以上の融資が行われることになります。
そのため、金融機関はローンの契約にとても慎重になり、審査も厳しくなります。勤務先や勤続年数なども考慮し、一般的な住宅ローンに比べて厳しい基準での審査が行われるのです。
そのため、思っていた融資額よりも低い金額になったり、審査が通らないことも多いでしょう。
金融機関によって買い替えローンの条件が異なりますので、借り換えを決断する前に必ず確認しておきましょう。
買い替えローンのメリット
買い替えローンに借り換える最大のメリットは、住宅ローンが残っている状態でも、抵当権を抹消して住んでいた住宅を売却できるということです。
また、2つの物件の支払いを1つにまとめられるため、二重で契約する場合よりも月々の支払額を抑えられる可能性が高い点もメリットでしょう。
買い替えローンのデメリット
一方で買い替えローンへ借り換えるデメリットは、今住んでいる住宅の残債と新居のローンが合計されるため借入額が大きくなり、ほとんどの場合で月の返済額が従来よりも増えることです。
支払いが増えることから、一般の住宅ローンよりも金融機関の審査が厳しくなり、融資額によっては新居の予算を減らさざるを得ないこともあるでしょう。
また、買い替えローンでは現在の住宅の売却と新居購入の支払いタイミングを合わせなければなりません。
そのため、スケジュールの調整が難しく、新居を探すのにあまり時間をかけられない点もデメリットでしょう。売却と購入のタイミングが合わないと、最悪の場合、買い替えができなくなるという事態に陥ることも考えられます。
買い替えローンの注意点
買い替えローンに借り換えると、借入れ金額が大きくなる分、月々の返済金額が高くなります。
そのため、借り入れる金額には十分注意が必要です。
事前に支払いのシミュレーションをし、支払いに無理がないようによく検討してから申し込むことをおすすめします。
もうひとつの注意点は、引き渡しのスケジュール管理です。
現在の住宅の売却と、新居の購入が同時であれば問題ありませんが、なかなか思ったように進まないケースも多いでしょう。
先に新居が決まったとしても、現在の住宅が売却できていないと、いくら売却資金が手に入るのかがわからず、買い替えローンの契約ができません。
逆に売却が先に決った場合は、新居が決まるまで売買契約日を待ってもらうことで少しの時間であれば余裕ができます。
しかし、新居がなかなか決まらないと、買い替えローンの契約ができず抵当権の抹消ができません。
結果、決まりかけた売却が白紙に戻る可能性もあります。
買い替えローンへの借り換えを利用して住宅の売却や購入を行う場合は、スケジュール管理がとても重要になるのです。
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この記事の監修者プロフィール
株式会社worth style home
濵田昭平2005年より東京急行電鉄株式会社財務戦略室主計部にて都市開発における多様な事業セグメントの業務を経験。2012年1月より都心部で高級マンション賃貸仲介業を展開する株式会社ModernStandardへ転職し、賃貸仲介営業職での最短トップ記録樹立。2014年1月より「株式会社worth style home」での総合不動産業をスタート。1,000万円~10億のマンション・土地等の売買仲介業務を行う。
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